【大学選手権】東北福祉大、延長サヨナラ4強!指揮官称賛「吉田で始まって吉田で終わった」

スポーツ報知
サヨナラ勝ちし喜ぶ東北福祉大ナイン(カメラ・泉 貫太)

◆報知新聞社後援 第67回全日本大学野球選手権第4日 ▽準々決勝 東北福祉大2×―1白鴎大=延長10回タイブレーク=(14日・神宮)

 4強が出そろった。東北福祉大(仙台六大学)は、1番・吉田隼中堅手(4年)が初回裏に初球先頭打者弾を放ち、延長10回にはサヨナラ中犠飛を記録する離れ業。全2打点を挙げ、チームを14年ぶりの4強入りに導いた。慶大(東京六大学)は2試合連続のコールド勝ちで7年ぶり4強。国際武道大(千葉県大学)は2年連続、九産大(福岡六大学)は初の4強入りを決めた。15日の休養日を挟み、16日に準決勝2試合が行われる。

 回るべくして回ってきた打席だったのかもしれない。タイブレークに突入した10回無死満塁。吉田が2ストライクからの3球目、低めのスライダーに食らいついた。サヨナラの中犠飛だ。「なんとか津森を助けたかった。気持ちで打ちました」。接戦にピリオドを打ち、10回まで1人で投げていた3年生右腕に白星をプレゼントした。

 独り舞台だった。初回、2死二塁の守備では中前打を本塁にレーザービーム。二塁走者を刺し、先制点を阻止するとその裏、いきなりバットが火を噴いた。先頭打者で打席に入り、初球の143キロ直球を左翼席に運んだ。全2打点をたたき出す活躍に、元西武の大塚光二監督(50)は「吉田で始まって吉田で終わった」とヒーローをたたえた。

 準備はできていた。大の相撲好きで「毎晩、寝る前に相手をイメージしながら股割りをするんです」。突っ張り1本で大関までのし上がった千代大海(現九重親方)は、憧れの存在だ。股割りの理由は「下(半身)を使うため」。腰を落とし、重心を低くした独特の打撃フォームを貫き通すこだわりも元大関ばりだ。

 今年で33度目の出場となる全国屈指の強豪だが、意外にも4強入りは優勝した04年以来、14年ぶり。去年は初戦敗退の屈辱も味わった。それでも「目標は日本一。喜んではいられないです」と浮かれる様子はない。チームを引っ張るリードオフマンは、すでに17日の“千秋楽”を視界に捉えている。(大谷 翔太)

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