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無名外野手からプロ入り…ロッテの154キロ左腕・永野が描くサクセスストーリー

2018年1月22日17時0分  スポーツ報知
  • ロッテのドラフト6位・永野

 今季のロッテにはドラフト1位の大型新人・安田尚憲内野手=履正社=以外にも楽しみな好素材がいる。同6位・永野将司投手(24)がその一人だ。大分・日出暘谷(ひじようこく)高では無名の外野手で、県大会では「いつもコールド負けばかりで1回戦を勝ったことが2回くらい。最後の夏も1回戦でコールド負けでした」。目立った実績はゼロ。最速は125キロほどで右翼手。投手として日の出を見ることはなかった。体重は現在の82キロよりも20キロ以上軽い60キロほど。投手として芽が出たのはセレクションを経て合格した九国大に進んだ後だった。

 入学当初は外野手登録だったが、「投手をやらしてください」と監督に直談判した。熱意が通じ、投手への転向がかなった。その後、人一倍の努力で才能が徐々に開花していく。投手のチームメートに股関節の使い方などを学び、フォームも独学で研究した。「1年で球速は6キロずつ上がっていった」と、2年時に141キロ、3年時は148キロを計測するまでに成長した。

 だが、4年時に左肘を故障し「トミー・ジョン手術」を受けた。右腕の腱(けん)を左肘に移植したため、術後は両腕にギプスをはめたままの生活が続いた。日常生活もままならず、右腕のギプスが取れるまで1週間、左腕が1か月かかった。復帰まで懸命なリハビリを続けて復帰。「あの時のリハビリよりきついことはない」と精神面でもタフさが身についた。

 その年のドラフト会議では指名漏れしたが、「諦められなかった」と浪人をして社会人・ホンダのセレクションを受け、合格。プロへの道を目指して再び歩み始めた。左肘も順調に回復し、最速は154キロまで伸び、一躍ドラフト候補に。あるプロスカウトは「潜在能力ではドラフト上位クラス」と呼ばれるまでになった。17年のドラフト会議で念願かなってロッテに入団。「高校時代を思うと今、ここにいられるとは思っていない」と当時を思い返し、笑みをこぼした。

 プロでは150キロ台の直球で押すスタイルだった、元中日のチェン(現マーリンズ)に憧れを抱く。目標は「試合の後半を任せられる投手になりたい。背番号と同じ62登板です」と永野。無名の外野手からプロの土俵へはい上がった苦労人が、“サクセス・ストーリー”を描く。(記者コラム・長井 毅)

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