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カメラマンの精神状態と疲労度は投手とシンクロする…撮り逃しを救ってくれた巨人・岡本のアーチ

2018年3月6日16時0分  スポーツ報知
  • 6日に行われたロッテとのオープン戦の8回無死、ソロ本塁打を放つ岡本(捕手は江村)

 唐突だし、頑張っている選手に失礼かもしれないけれど、断言したい。カメラマンの精神状態と疲労度は投手とシンクロします!

 例えば、ホームランを撮り逃すときは、だいたい試合の中盤から終盤が多い。それは、マウンド上の投手が疲れてくるのと同じように、手元のパソコンで会社への送信作業をしながら、ファインダーをのぞき続けるカメラマンも疲れてくるからだ(野球の試合を取材をする新聞社のカメラマンは、投球間やイニング間に少しずつ写真を会社に送りながら撮影をしている)。

 往々にして7回くらい。疲労の色が見え始めた投手の失投と、集中力の切れてきたカメラマンがパソコンの液晶画面を長く見過ぎた瞬間が重なったとき、それは起こる。大きな打球音と歓声で顔を上げ、スタンドに消えていくボールを見ながらこう思う。「あ、やっちまった」(このときのカメラマンと投手の表情はたぶん同じ)。そして数秒後、ダイヤモンドを回る打者を見ながら投手と一緒に(しつこいけど多分)こんな感じで落胆する。「ここまで結構がんばってきたのになあ」

 長くなった上に強引だけど本題に(以下カッコの中は投手目線での言い換え)。だからカメラマンにとって嫌な打者は投手にとっても同じはず。それはしっかり振り切ってくる打者。カメラマンにとっては力強くて絵になるからおいしい(タイミングをずらせば打ち取りやすい)反面、画面からはみ出る(ホームランや長打になる)可能性が高くなり恐怖心が生まれる。そうすると水平が保てなくなったりカメラを持つ手に力が入って失敗(失投)が増える。そうすると、画面いっぱいに大きく撮る(ストレートで押す)か広い画角で撮って、後でトリミングする(変化球でかわす)か迷いが生じる。迷うと撮影(投球)に集中できないからますます失敗(失投)する。

 6日のロッテ・巨人のオープン戦(ZOZOマリン)の8回無死。見逃せばボールの内角低めの直球を迷いなく振り抜いてソロホームランをかっ飛ばした岡本和真(22)のスイングは、カメラを持つ手に思わず力が入った。集中力を切らし、直前の陽岱鋼(31)のソロホームランを撮り逃して落胆した私の心を救ってくれるひと振りだった。(記者コラム・写真部 矢口亨)

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