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「ゲンキダシテイコー!」バレンティンの声が強いヤクルト復活の号砲になる

2018年3月19日16時0分  スポーツ報知
  • 18日のオープン戦でソロを放ち祝福に力強く応えるバレンディン

 つい最近のことだ。とある球団幹部に言われた。

 「バレンティンのプレーはチームをしらっとさせるだろう」

 昨年までのことはわからないが、ヤクルト担当になって3か月近く。それはないと自信を持って言える。

 3月10日の広島とのオープン戦(マツダ)。2回に中堅の山崎が鈴木の飛球を見失って二塁打にしたが、すぐ後ろにいたのが左翼のバレンティン。緩慢さは全く感じない。バックアップは驚くほど早かった。一塁に出塁した同じ回の攻撃では、畠山の左翼線二塁打で一気に本塁を陥れた。あまりの激走に、見ている方がケガをしないか心配するほど。全力プレーは、周囲を白けさせるどころか鼓舞している。

 昨季は球団史上ワーストの96敗を喫した。小川監督ら新体制のもと、チームが生まれ変わろうとする中、来日前から首脳陣が打ち出す守備、走塁への強い意識を理解。体も絞れている。正直、キャンプイン前は練習が免除されるのが当たり前だと思っていたが、とんでもない。冗談交じりに文句を言う振りをしながらも、明るい表情で猛練習を全てこなし、助っ人としてはかなり遅い午後5時まで球場に居残った日もあった。小川監督も「今年は練習、言動、姿勢を含めて意識を感じる」と優等生に変貌した背番号4に目を細めている。

 来日8年目。日本語のボキャブラリーも想像以上に豊富だ。7年ぶりにチームメートになった青木には「アタラシイセンシュ?」と質問すれば、ある時は「ニジュウロク? ニジュウハチ?」など数字も自由自在に操る。我々が「twenty six」と言うのとは訳が違うはずだが、チーム関係者は「いろんな言葉を聞いてきて、頭がいいんですよ」。チームメートと手をつなぎ、ハグするなど、自然にコミュニケーションをとり、違和感なく溶け込んでいる。

 近くで声援をくれた少年にバットを気前よくプレゼントするなど、ハートも一流。ファンの心がつかまれるのもよくわかる。オープン戦はここまで10試合で打率3割6分7厘、4本塁打、6打点と状態はいい。「ゲンキダシテイコー!」。今日もグラウンドに響くかけ声が、巻き返しの号砲になるはずだ。(記者コラム・田島 正登)

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