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ひたすら前を向き続ける姿がまぶしい、18歳の怪物捕手・中村奨成

2018年4月4日16時0分  スポーツ報知
  • 中村奨

 プロ野球・広島が3日のヤクルト戦に勝利し、1993年以来25年ぶりの開幕4連勝を達成した。絶好のスタートダッシュを切ったチームの試合を、もどかしく見ているのだろうか。昨夏の甲子園で、1大会個人最多記録を更新する6本塁打を放ったドラフト1位・中村奨成捕手(18)の胸の内を想像してみた。

 昨年12月に行われた新入団発表会見では「新人王を取りたい。最終的にトリプルスリーとか、誰も成し遂げていない記録を作る」と、捕手では球界初のトリプルスリーや20年東京五輪への出場などを目標に掲げた。スケールの大きな公約に「目標は高い方がやりがいを感じる」と、目を輝かせていたのが印象に残った。

 チーム内では会沢、石原が正捕手を争い、侍ジャパンの稲葉監督から高く評価された坂倉も虎視眈々と定位置を狙っている。ルーキーが開幕1軍、その先のレギュラー獲得を目指すにはあまりに状況は厳しく、水本2軍監督も「体ができてくればもっと良くなる。強化指定選手です」と将来性に期待するからこそ、まずはファームでの土台作りを優先している。事実、今春のキャンプは中村奨を含む新人全員が2軍で体作りに励んだ。

 当然、本人にも首脳陣の意図は伝わっているはず。その上で、中村奨は発言を翻したりはしない。3月に入っても「まだ開幕を諦めたわけじゃない」とファイティングポーズを崩さなかった。恩師である広陵高・中井哲之監督(55)も「すごく前向きですよね。すべてが負けているとは思ってないんじゃないかな」と頼もしそうに目を細めた。

 実戦での勝負強さはすでに発揮している。自身の本拠地デビューとなった3月7日の社会人チームとの交流戦では、3打数2安打。同24日のウエスタンリーグ・オリックス戦では、プロ1号のソロ本塁打を含む4打数4安打と爆発した。持ち前の強肩だけでなく、甲子園を湧かせた打撃力もアピールしている。

 高い目標を掲げることは反面、達成できなかった際に非難を受けるリスクも抱える。リップサービスに消極的な取材対象者には手を焼くが、一方で自分自身「仕方がないよな」と感じている部分もある。だからこそ、18歳のひたすら前を向き続ける姿はまぶしく映る。怪物捕手が1軍でどんな光を放つのか、その日が待ち遠しい。(記者コラム・種村 亮)

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