【女子高校野球】神戸弘陵、初戦のカベ克服し全員でつかんだ初優勝

スポーツ報知
第19回全国高校女子硬式野球選抜大会 初優勝を決め喜ぶ神戸弘陵ナイン(カメラ・軍司 敦史)

◆報知新聞社後援 第19回全国高校女子硬式野球選抜大会 ▽決勝 神戸弘陵(兵庫)4―0秀明八千代(千葉)(3日、埼玉・加須きずなスタジアム)

 “女子のセンバツ”決勝が行われ、神戸弘陵が初回の4点を守りきって初優勝。創部5年目にして夏の選手権大会、ユース大会に続く、史上2校目の女子野球の3大会を制した。

 1回、立ち上がりの悪い秀明八千代の先発・木村涼香=3年=から4連続四球で先制点を奪うと、工藤里菜=2年=が「押し出しは考えずに良い球を狙っていました」と左線に走者一掃の適時二塁打。一方の先発・貴志(きし)優香=3年=が縦と横のカーブを使い分けて秀明八千代打線を2安打と封じた。

 神戸弘陵は14年に共学化にともない女子硬式野球部を創部。かつて男子野球部を5度甲子園に導いた石原康司監督(58)の下、16年に選手権とユースの2冠を達成するなど、早くも強豪の一員に名を連ねた。

 しかし昨春の選抜と夏の選手権では相次いで初戦敗退。「初戦の怖さ、勝負の怖さを選手も分かったと思う」と石原監督は語る。男子並みの走り込みなどで心身ともに十分準備し臨んだが、初戦の作新学院では最終回に3点差を追いつかれる展開に。これをタイブレイクで逃げ切り「しんどい試合でしたが、これで選手の硬さがほぐれた」。その後はコールド勝ちを重ねて勝ち上がった。

 貴志は昨年6月に肩を故障し、早くからこの大会に照準を合わせ調整してきた。作新学院戦ではピンチを招いたが、全試合に先発。「打たれても(仲間が)守ってくれることを信じて、とりあえずコースにつけてることだけを考えた。初の(3大)大会だったので、良い結果がでて良かった」と、優勝の瞬間は万歳してナインと喜びを分かち合った。

 高校野球の強豪、広陵・中井哲之監督の名言を借りて「全員主役、全員脇役です。メンバー外も大事。みんな感謝の気持ちが必要」と語る石原監督。これで昨年のユース大会に続く2冠。どこも達成していない3冠に向け、夏の選手権奪取に意欲を見せた。

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