【侍女子】W杯開催球場は人工芝マウンド&金属スパイク禁止「人工芝で投げるなんて小学生以来」

スポーツ報知
打撃投手用の傾斜板を使って人工芝マウンドを想定して投球する里綾実(カメラ・軍司敦史)

 第8回WBSC女子野球W杯(8月開催)で6連覇を狙う、侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」候補が15日、高知県安芸市で行っていた2次合宿を打ち上げた。この日までに、会場となる米フロリダの球場が完全人工芝であることが発覚。未経験の人工芝マウンドに投手が戸惑うシーンがみられた。

 この日、投手陣を集めた橘田恵監督(35)は、耳を疑うような事実を選手に伝えた。「マウンドも人工芝で、サッカー場のような毛足が長くてゴムチップが入っているものです―」。W杯2大会連続でMVPを受賞しているエース・里綾実(28)=愛知=も、「人工芝で投げるなんて小学生以来。人工芝用のスパイクで投げたことも無いし」と不安を口にした。

 大会史上、初めて米国で行われる今大会は、8月22日から10日間、12か国が出場してフロリダ州ビエラの米特別スポーツ協会(USSSA)複合競技場・スペースコートスタジアムで行われる。メジャー球団のキャンプで使われていた球場を今大会開催に合わせて改修。その結果、マウンドやホームベース付近を含む全てが人工芝になったという。

 メジャーを含め、世界的にみても土を使用しないマウンドは前代未聞。1月に現地を視察した際には、まだマウンドができていなかったという橘田監督は、「ソフトボールの大会も行う球場のため、人工芝らしい。最近米国ではこういった球場が増えているそうで、金具のスパイク自体が禁止なようです」と語った。

 少し前に聞いていたという里はいち早く対策に取り組んでおり、この日も室内練習場にあった打撃投手用の人工芝付き傾斜台を使って感覚を確認した。しかし「土と違って前脚の着地点が全く滑らないので、つま先をホーム方向に向けないと負担がかかる。雨が降れば逆に滑りやすいだろうし、フィールディングを含めて不安。どんな芝かも分からないし」と、未知の環境に戸惑いを隠せない。

 橘田監督は、どのチームも状況は同じとしつつも、日本に似た施設がないため高校や大学などに人工芝のサッカー練習場があったら感覚をつかんでもらいたいと指令。一方で、大会4か月前には珍しく、近く35人の候補メンバーから一気に登録20人に絞り込んで、次回の合宿は人工芝の球場で時間をかけて対策を行うと明かした。

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