•  2016年の野球界を追い続けた各担当記者が心に残った選手、監督、コーチらをピックアップ。その相手から見た記者とは?も合わせてお届けします。

【野球記者が見た2016】現地取材4勝1敗…マー君、それでもダメですか!?

2016年12月21日12時0分  スポーツ報知

 「行くな」。マウンド上の田中より強く、テレビを見つめていた私は願った。6月11日(日本時間12日)のヤンキース・タイガース戦。2回、カステラノスの打球はしかし、右中間席へ飛び込んだ。5回に3ランも被弾。7回途中5失点で2敗目を喫した後、専属広報を通じて田中からメールが届いた。「責任取ってください」と。

 時計の針を戻すこと数日。6月6日のエンゼルス戦後のことだ。田中は5月21日のアスレチックス戦からツーシームを生かす狙いでプレートの一塁側に立って投げていた。それから4試合連続被弾なし。昨季は25発を献上して一発病とも言われただけに、解決策の手応えを尋ねたら「あっ、言ったな。またそういう話したな」と意外な反応だった。

 伏線があった。「そういうの言わないでくださいよ。負けてないって時もそうだし」。今季、10戦無敗が続いていることを報道陣に問われた直後、11試合目に初黒星を喫していた。ゲン直しをしたいところで、同じ不安を与えた。しかも、出張日程の都合でこの日を最後に一度、帰国することが決まっていた。タイミングが悪過ぎた。「へぇ~、爆弾だけ落として、帰るんだ!?」。そう言われていただけに、何としても次の試合だけはノーアーチでと本気で願ったが、そこに神などいなかった。

 8月の再渡米以降、顔を合わせれば「出禁! 出禁!」といじられ続けた。そんなことを言いながら、質問には丁寧に答えてくれるのはツンデレか、上手なオンオフの切り替えか。その姿はしかし、メジャー界に慣れ、周りを見る余裕が生まれたのだと思っている。

 今季は米3年目で初めて規定投球回に達し、防御率3・07はリーグ3位だった。終盤に右肘に疲労が出たこともあり、最後の2試合をスキップしたことで対抗馬の“打たれ待ち”だったが、それもかなわず、日本人初の最優秀防御率のタイトルは届かなかった。「あのホームランがなければ、取れたかもしれないですね」。ここでも強烈にかまされた。分かりました。いくらでも謝ります。でも、最後に一つだけ言いたい。今季、私が現地で取材できた11試合で4勝1敗、防御率2・85。そこまで足は引っ張ってないと思うのですが…やっぱりダメですかね!?(メジャー担当・西村 茂展)

 ヤンキース・田中将大投手が見た西村記者

 その節は大変、お世話になりました。ホームランのこと“聞き逃げ”されて、ホームラン打たれましたからね。しばらく…いや、もうずっと出禁! 二度と来るなよ、って言いたいですね(笑い)

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