早実・清宮、熊本復興エールは135メートル場外弾「一発出せたのが、自分の中でもホッとした」

2017年5月14日6時0分  スポーツ報知
  • 1回無死一、二塁、早実・清宮が右中間場外へ高校通算93本目となる3ランを放つ(左は八代・緒方投手=カメラ・泉 貫太)

 ◆高校野球招待試合 ▽第1試合 早実2―4文徳 ▽第2試合 早実16―10八代=7回時間切れ=(13日・県営八代)

 今秋ドラフト目玉の早実(東京)の清宮幸太郎一塁手(3年)が13日、被災地・熊本に2年越しの復興エール弾となる高校通算93号を描いた。RKK(熊本放送)招待高校野球(県営八代野球場)の第2試合・八代戦で右中間場外に先制3ラン。早実は昨年も招待されていたが、熊本地震の影響で試合中止に。怪童が、待ちわびた観衆3500人に感謝のアーチを届けた。最近の対外試合で16戦14発と量産にも拍車をかけた。

 復興の願いを込めた清宮の打球は、「がんばろう! 九州!」と掲げられた横断幕の左上を通過し、右中間の場外で弾んだ。「いい感じで振り抜けた。芯に当たって、よく飛んでくれた。満足できる」。初回無死一、二塁、右投手の真ん中低め直球を捉えた。推定飛距離135メートルの高校通算93号に万感の思いが詰まった。

 昨年4月に2度の震度7を観測する熊本地震が発生。同5月に早実、敦賀気比が参加予定だった招待野球は中止となった。清宮にとっては、練習試合や家族旅行でも訪れた思い出の地だ。「阿蘇山にも、熊本城にも行ったことがある。熊本城も、いろんな校舎も、崩れていた。何も言えない衝撃でした」。震災当時のシーンが 脳裏をよぎった。

 12日からの雨が明け方まで続いたが、球場には7日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク・広島戦より410人多い観衆3500人が詰めかけた。「1年たって、熊本でできると思っていなかった。こういう場を設けてくれて、感謝している。一発出せたのが、自分の中でもホッとした。来てよかった」と歓声に応えた。

 友情応援にも胸を熱くした。第1試合では相手の文徳、第2試合は地元・八代市の秀岳館の控え部員が、一塁側の早実スタンドで声援を送った。「自分たちにない応援ばかり。熊本オリジナルかなというのもあって、楽しい雰囲気だった」。招待試合ならではの温かさに触れた。観客席には、母・幸世さん(50)の姿もあった。「家族とも2、3回来ている」という熊本で、1日早い母の日のプレゼントを贈った。

 4月15日の春季東京都大会準々決勝(駒大高戦)から対外試合は16戦14発。「基礎がしっかりした上で、技術が元に戻ってきた。成長できている」とうなずいた。西武はスカウト3人態勢で視察。阪神・畑山チーフスカウトは「これだけ注目される中で打てる。集中力が高い。もう通算何本打ったか、というレベルじゃない」と目を細めた。関東大会、夏の西東京大会を含め、対外試合は少なくとも20試合ある。高校通算最多とされる神港学園・山本大貴の107本に迫る。

 14日は今春センバツまで3季連続甲子園4強の秀岳館と熊本市の藤崎台県営野球場で激突する。「ここに勝たなきゃ、全国制覇は見えない」と清宮。昨夏の熊本大会で各校主将が「感謝」を題字に寄せ書きした旗を背に、決意をにじませた。(山崎 智)

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