早実・清宮、史上最多観衆1万2000人に魅せた94号

2017年5月22日6時0分  スポーツ報知
  • タイブレーク10回無死満塁、野村にサヨナラ2点二塁打が飛び出し、早実の一塁走者・清宮幸太郎主将は三塁を回ったところガッツポーズ
  • 5回1死、右翼ポール際へ高校通算94本目となるソロ本塁打を放つ早実の清宮(カメラ・泉 貫太)

 ◆春季高校野球関東大会 ▽2回戦 花咲徳栄9―10x早実(21日・ひたちなか市民)

 今秋ドラフト目玉の早実(東京)の清宮幸太郎一塁手(3年)が、関東大会初戦の2回戦・花咲徳栄(埼玉)戦で、自身初の公式戦4試合連発となる高校通算94号を放った。9回の同点打など6打数4安打3打点。初体験の延長10回タイブレイクを逆転サヨナラで制し、13年ぶりの8強入りを決めた。22日の準々決勝(10時・ひたちなか市民)では、昨夏甲子園優勝の作新学院(栃木)と激突する。

 打った清宮本人も驚くほど、低い弾道はそのまま、両翼100メートルの右翼ポール際の芝生席に突き刺さった。「入っちゃった。(右寄りの右翼手に)いいところに守られたかなと思ったけど。低めを拾えた。引っかけて飛ぶのは持ち味。自分らしい」。1点リードの5回1死。軟式のオール麻布に所属した小学4年時に投げ負けた右腕・綱脇彗(すい、3年)の直球を捉え、神港学園・伊藤諒介に並ぶ、高校通算94号ソロで雪辱した。

 観衆1万2000人がどよめき、プロ7球団のスカウトは絶賛した。巨人・井上チーフスカウトは「右直だと思ったのが、そのまま入った」。日本ハム・大渕スカウト部長は「プロでも見たことない打球。ファウルにならないのは技術が高いから。(観客の)期待に応えられるのもスター性」と目を見張った。

 1週間前の悔しさも晴らした。1点を追う9回2死一塁で、2番・雪山幹太右翼手(2年)が右前打。14日の熊本招待・秀岳館戦では、9回2死無走者から「あえて清宮勝負」の敬遠で歩かされた背番号2が打って回し、主砲は「この前、敬遠されて。よくつないでくれた」と意気に感じた。

 20日のミーティングで、清宮は「自分まで回したら、絶対打つ」と宣言。2死二、三塁で最速149キロ右腕・清水達也の外角146キロを三遊間に運ぶ同点適時打。「フォークも頭にありつつ、巻き込まずに叩けた。球は速かったけど、振り負ける感じはなかった。みんながキヨまで回すと言ってくれたので、打たなければ見せる顔がない」と笑った。

 大会の規定で延長10回からは無死一、二塁で始まり、好きな打順から始められる。まずは守備で2点をリードされた。その裏、先頭・雪山の左前打で回ってきた無死満塁で右前適時打し「来た球を打っただけ。9回より気楽にいきました」。続く野村大樹捕手(2年)の2点二塁打で、サヨナラの雄たけびを上げた。

 20日の開会式。白鴎大足利の中村陸人内野手(3年)と旧交を温めた。調布シニア時代の2番・三塁。4月下旬の練習で右人さし指を複雑骨折し、今大会はベンチを外れた。「本塁打の記録が楽しみ」とエールを送られ「おまえと戦いたかった。早く治せよ」と背中を押した。手負いの元同僚も勇気づける一発で、40年ぶりの春の関東制覇へ発進した。(山崎 智)

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