07年仙台育英・佐藤由規の真っ向勝負にシビれた…歴代甲子園キャップ“心のエース”

2017年8月14日11時0分  スポーツ報知
  • 仙台育英・由規は直球の威力はもちろん、負けん気の強さも魅力的だった

 ◆片岡泰彦(07、08年アマ野球担当。11、12年同キャップ)

 あの夏、あの剛腕を忘れない―。夏の甲子園では連日、熱闘が展開されています。炎天下、力投で大観衆を沸かせるピッチャーの姿は、いつまでも人々の記憶から離れないものです。今週の「週刊報知高校野球」はこれまでスポーツ報知の甲子園キャップを務め、現在も野球報道に携わる記者が“心のエース”をそれぞれつづってみました。あなたにとって忘れられない背番号1は、誰ですか。

 甲子園の取材歴は、春夏通算18度を数える。超高校級と呼ばれるいろんな選手を見てきたが、あの夏に受けた衝撃は今でも鮮明に思い出すことができる。ちょうど10年前。07年夏。仙台育英(宮城)のエース・佐藤由規(現ヤクルト・由規)のことだ。

 しなやかで躍動感あふれる投球フォームから、2回戦の智弁学園(奈良)戦では最速156キロ(球場表示では155キロ)をマーク。だが、最も印象的なのは、智弁和歌山と激突した1回戦だ。全国屈指の強力打線を相手に毎回の17奪三振を記録したこの一戦は、由規の“出世試合”といっていい。中でも、4番・坂口真規(現巨人)との真っ向勝負は、実に見応えがあった。

 2点リードの6回、由規は甘く入ったスライダーを左翼席中段まで運ばれる特大の同点2ランを浴びた。そして迎えた8回だった。148キロ、153キロ、151キロと直球を3つ続けて追い込むと、140キロの高速スライダーを挟んで、最後は外角低めいっぱいに154キロをズドン。バットを1度も振ることすら許さず、見逃し三振に仕留めた。

 1学年下のスラッガーに、やられっぱなしでは終われない。由規の負けん気の強さ、エースのプライド、そして直球の威力―。あらゆるものが凝縮されていた。「自分でもシビれました」。どよめくスタンドを気持ちよさそうに見上げていた姿を忘れることはできない。

 そのストレート同様、実直な性格の持ち主で、思わず応援したくなるナイスガイだ。プロ入り後は右肩痛に苦しみ、一時は育成選手への降格も経験したが、完全復活を期待せずにはいられない。(DeNA担当)

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