夏の甲子園・地方大会なども「タイブレーク」導入 決勝戦のみ延長15回再試合

スポーツ報知
1998年全国高校野球選手権大会準決勝で横浜は延長17回の末、PL学園を下した

 日本高野連は10日、今春のセンバツからの採用が決まっていた「タイブレーク」を、夏の全国高校野球選手権大会や地方大会、春・秋の都道府県大会と地区大会でも一律に導入することを決定した。延長13回から無死一、二塁の「継続打順」で開始し、試合の決着がつくまで繰り返す。ただし、決勝では実施せず、延長15回で決着がつかない場合は再試合を行い、再試合では同制度を適用することも決まった。

 選手の健康管理などの観点から議論されてきたタイブレークが、第100回を迎える今夏の甲子園大会や地方大会でも導入されることが決まった。センバツ出場の重要な参考資料となる秋季都道府県大会と地区大会、春季都道府県大会と地区大会でも一律に導入する。

 しかし、春夏の甲子園大会や都道府県大会と地区大会の決勝はタイブレークを採用しない。延長15回で打ち切り、翌日以降に再試合。再試合ではタイブレークを実施する。

 日本高野連は昨年9月に、今春センバツからのタイブレーク導入を決定。同10月、各都道府県の高野連にアンケートを実施した。「3分の2は、日本高野連がタイブレークを採用するかを決めてほしいという意見。決勝は再試合の希望が7割以上だった」と竹中雅彦事務局長(63)。優勝や甲子園出場が懸かるため、現場の意見を重視した。2006年夏の甲子園で早実と駒大苫小牧が激闘を繰り広げた決勝再試合のドラマは、今後も再現される可能性が残った。

 タイブレークは延長13回から開始されることも決まった。打順は12回終了時点の打順を引き継ぐ「継続打順」で、走者は無死一、二塁の状態で行う。12回に4番打者で攻撃が終了すれば、13回は5番からで、二塁走者は3番、一塁走者は4番になる。15回で決着がつかない場合は試合を続行する一方、1人の投手が登板可能なイニング数は15回以内と規定した。

 延長13回から開始することについて、竹中事務局長は「10回ではタイブレークの適用が多くなり、統計では90%以上が(9回終了試合も含んで)12回までで勝負がつく。(延長に入って)あと打順がひと回りすれば3イニング。それまではチャンスを与えるべき」と説明。勝敗決着の形をなるべく崩したくない、という配慮がうかがえる決定となった。(伊井 亮一)

 ◆延長戦では8割以上が12回までに決着 2000年以降、春のセンバツは59試合が延長戦となり、そのうち45試合が12回までに決着した。夏は71試合の延長戦で、13回以降までもつれたのは7試合。春夏合わせて、約84%の試合が12回までに決着している。

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