甲子園のウグイス嬢が野球部マネジャーにアナウンス講習会「これが『本物』なんだ」

スポーツ報知
実体験を交え笑顔で講習を行った甲子園球場の現役アナウンス担当・飯野詩織さん(左)と窪田真子さん

 山梨県高野連は3日、阪神甲子園球場で場内放送を担当している窪田真子さん(27)、飯野詩織さん(26)を日川高に招き、県内では初となる「アナウンス講習会」を開催した。野球部マネジャーを中心に約80人が参加。最高峰の現場で活躍する2人の話に聞き入りながら、メンバー表の読み上げや選手交代など、実戦的なアナウンス技術を一日かけて学んだ。

 聖地・甲子園でのアナウンス技術を学ぼうと集まったのは、県内の高校野球部マネジャーを始め、中学生やシニアリーグの試合でアナウンスを担当している約80人。春、夏の甲子園やプロ野球の阪神戦などで場内アナウンスを担当する2人の“講師”から、午前9時から午後4時頃まで、甲子園で使用されているマニュアルを“教科書”にして、実際に声を出しながら体験学習を行った。

 窪田さんと飯野さんが最初に行った“模範演技”に、参加者はいきなり目を見開いた。日川高マネジャーの水上千璃さん(2年)は「声のトーンや間の取り方など、自分たちとは全然違いました。直接指導していただいたのはうれしい」。本番前の準備から、マイクとの距離や話す時の姿勢、名前などのアクセントの付け方やアナウンスの間の取り方…。初めて聞くこともあり、“生徒”たちは胸を躍らせながら、耳を傾けた。

 昨秋の県大会決勝でアナウンスを担当した甲府東マネジャーの岩下もものさん(2年)は「甲子園にはまだ行ったことがないのですが、これが『本物』なんだとビックリ。自分とは別次元です」と感激の表情。「選手を応援している思いを乗せてアナウンスしている、とお話されていたのが印象に残りました。私も、全ての試合で、心を込めてやりたい」と目を輝かせた。

 窪田さんは時折、身ぶりを交えながら参加者に熱く語りかけた。「私も試合では緊張します。一番大事なのは、自分の声でしっかり伝えること。元気で明るいアナウンスを目指してください」

 主催した県高野連の小林太郎理事長(49)は「秋に関東大会が山梨で開催されることもあり、アナウンス技術の向上は課題だった。甲子園という最高の舞台で活躍する方とふれあうことで、いろいろな事を感じ、力にしてほしい」と期待を寄せた。(大津 紀子)

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