中央学院・大谷、2回2K0封&2打席連発 “アニキ打法”で完全復活

スポーツ報知
光明学園相模原との練習試合で、2回に中越え同点ソロを放つ中央学院・大谷

◆練習試合 中央学院8―2光明学園相模原(13日・中央学院グラウンド)

 第90回記念センバツ高校野球大会(23日から13日間・甲子園)に初出場する中央学院(千葉)が13日、千葉・我孫子市の同校グラウンドで光明学園相模原(神奈川)と練習試合を行い、投打でプロ注目の大谷拓海投手(新3年)が2打席連続本塁打を放った。「4番・右翼」で出場し、高校通算24、25号を連発。投げても中継ぎで2回を2安打2奪三振で無失点。投打に超高校級の才能を持つ“大谷2世”がそのポテンシャルを存分に発揮した。

 スケールの大きさを見せつけた。1点を追う2回無死。大谷は相手の先発左腕が投じたスライダーを初球打ち。逆らわずに打ち返した打球は、中堅後方にぐんぐんと伸びていき、そのまま120メートル先のフェンスを越えた。8日の対外試合解禁からチーム6試合目でようやく飛び出した一発を見届けると、悠然とダイヤモンドを一周した。

 まだ終わらない。2点リードの3回2死で迎えた第2打席。今度は1ストライクからの直球を一発で仕留め、右中間最深部に打ち込んだ。「打撃フォームが分からなくなって、ずっと調子が悪かったんですけど、久しぶりに打ったのでうれしかったです」。練習試合を含めて自身初となる2打席連続アーチで、堂々と完全復活を告げた。

 “アニキ打法”でよみがえった。この日の試合前練習。大谷は思わず声を上げた。「あ、そうだ!」。忘れていたバットの握り方をふと思い出したのだ。両手ともに、握った中指と人さし指の間から親指の先を出す独特のグリップは「阪神の金本さんの動画を見て、1年の冬頃からやり出したんです」。フォロースルーでボールを押し込むことができるという本来の握りで、持ち味である中堅から逆方向への長打も取り戻した。

 投げては、5点リードの6回から登板。5回を投げた前日(12日)の常総学院(茨城)戦に続く連投だったが、先頭からいきなり2者連続で見逃し三振を奪うなど、2回を投げて2安打2奪三振で無失点だった。スラリと伸びた長い手足に、投打にしなやかなフォーム。カブスのダルビッシュとソフトバンクの柳田に憧れる“大谷2世”が、センバツの主役に躍り出る。(片岡 泰彦)

 ◆大谷 拓海(おおたに・たくみ)2000年7月13日、茨城・牛久市生まれ。17歳。小学2年から野球を始め、千葉・滝野中では船橋シニアに所属して全国大会出場。高校では1年春から右翼のレギュラーで、同秋はエースとして関東大会8強入り。昨秋は県大会準優勝、関東大会優勝。最速145キロで持ち球はスライダー、フォーク、カーブ。180センチ、77キロ。右投左打。

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