【センバツ】明徳義塾・馬淵監督“先制口撃”「神宮大会のビデオ撮ってる? 借りようかな」

スポーツ報知
笑顔の明徳義塾・馬淵監督

 第90回記念センバツ高校野球大会(23日から13日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が16日、大阪市内で行われ、昨秋の明治神宮大会王者・明徳義塾(高知)は、第3日第1試合で昨秋の関東大会王者・中央学院(千葉)と激突することになった。史上5人目となる甲子園通算50勝に王手の名将・馬淵史郎監督(62)は、初出場校の敵将に“猛口撃”をしかけて主導権を握った。

 節目の白星がかかる甲子園の“前哨戦”は、やはり名将の完勝だった。昨秋の明治神宮大会に出場した強豪が集まる“死のブロック”に明徳義塾・馬淵監督は「こんなことあるか? 何か仕込んどるんとちゃうか?」とぼやいてみせたが、そのメガネの奥は鋭く光っていた。

 明治神宮大会準々決勝の再戦だ。試合は明徳義塾が序盤から優位に展開して5―3で勝利。勢いに乗り優勝した。それでも、8回に本塁打を打たれたエースで4番の“二刀流”大谷拓海(3年)には目を奪われた。「逆方向にあれだけ飛ばせる高校生はなかなかいない。非凡なものを持っとるよ」とたたえた。

 だが、そこからは完全に馬淵監督のペースだ。中央学院・相馬幸樹監督(38)に「神宮大会のビデオ撮ってる?」と先制パンチ。「あります」という答えに「じゃあ借りようかな。(手配に)手間かからんでええわ」と“上から目線”でお願い。24歳年下の相馬監督は「もう勘弁してください」と苦笑いするしかなかった。さらに「日曜日に試合ができてよかったです」と、地元からの応援団が集まりやすいことに喜ぶ敵将を横目に「わからんでえ。センバツは雨があるからな」とニヤリと笑った。

 甲子園通算50勝を前に「したい気持ちはあるけど、どっちかが勝ってどっちかが負けるもんやから」と自然体を強調したが、16年の龍谷大平安(京都)、昨年の早実(東京)に続き、またも強豪校との初戦。ここ2年は涙をのんでおり、決して油断できる相手ではない。だが、朗報もある。左足甲を疲労骨折していたプロ注目の谷合(たにあい)悠斗(3年)が昨秋に手術を受け、完全復活。「谷合を4番に戻すから、打順は全部シャッフルするよ。去年のデータは参考にならん」。百戦錬磨の指揮官が、なりふり構わず“陽動作戦”を連発した。(河井 真理)

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