由利工エース右腕・佐藤亜蓮、昨年センバツ4強の報徳学園から“金星”完投

スポーツ報知
報徳学園戦で2失点完投勝利した由利工・佐藤亜

◆練習試合 由利工5-2報徳学園(18日・報徳学園高グラウンド)

 23日開幕の第90回記念センバツ高校野球(甲子園)に21世紀枠で出場する由利工が18日、兵庫・西宮市内で練習試合を行い、報徳学園に5―2で勝利した。由利工はエース右腕・佐藤亜蓮(あれん、3年)が直球とカットボールなどを武器に6安打2失点。相手のU18日本代表・小園海斗遊撃手(3年)には本塁打を許したが、144球で今春初完投。大会2日目(24日)の日大三高(東京)戦に向け、手応えをつかんだ。

 夢舞台に大きな弾みをつける1勝だ。最後の打者を投ゴロに抑えた佐藤亜は、小さくうなずいた。今春5試合目にして初の完投勝利。相手は昨年のセンバツ4強で、春夏全国優勝3度を誇る報徳学園だ。144球を投げきっての“金星”に「やっぱり疲れました」と息をついたが「コントロールを意識して投げることができた。チームとして、勝てたのはうれしい」と、手応えたっぷりの笑顔を見せた。

 相手は昨秋、県大会16強止まりだったが、昨年のU18W杯銅メダルメンバーの小園を始め、全国クラスの選手がずらり。この日は、早実とも練習試合を行ったが、試合前、渡辺義久監督(39)にどちらで投げたいかを聞かれた佐藤亜は「小園君のような打者は、今までで経験したことがないし、勝負したい。報徳でお願いします」と志願していた。

 ほぼ主力がそろった相手に対し、佐藤亜は直球やカットボールなどの変化球を駆使して、打たせて取る投球に徹した。対決が念願だった小園には、5回2死から右越えの特大のソロ本塁打を浴びるなど4打数2安打。「(本塁打は)低めのボール球。打たれたのは高校で2本目なんですけど、すごいなと思いました」と舌を巻いたが、本塁打を除くと失策がらみの失点が1つあったのみ。直球は最速138キロを計時し、四球も1つだけと安定感が光った。対戦した小園は「思った以上に(球の)キレがあって、複数の変化球を持っていた。コースの使い方もうまい」と佐藤亜の能力を認めた。

 本番で対戦する日大三は公式戦でチーム打率が3割9分1厘。本塁打も7本と強打を誇る。「日大三高はすごく強いと思うけど、それは相手がどこでも一緒のこと。本番までしっかり課題を直して、自分のできることをするだけです」と佐藤亜。報徳戦でつかんだ自信を胸に、甲子園でも名門校相手に物おじしない投球術で大金星をつかみ取る。(遠藤 洋之)

 ◆佐藤 亜蓮(さとう・あれん)2001年2月8日、秋田・由利本荘市生まれ。17歳。下川大内小3年で野球を始め、小学6年時にはバスケットボール部も兼部。大内中では軟式野球部に所属。由利工では1年春からベンチ入り、1年秋から背番号1。174センチ、78キロ。右投右打。血液型O。家族は両親。

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