静岡高、掛川西に異動の大石部長に白星贈る

スポーツ報知
フリー打撃で快音を響かせる静高の5番打者・木下

 第90回記念センバツ高校野球大会(23日開幕・甲子園)に出場する静岡高は21日、予定していた練習試合が雨で流れたため、大阪府貝塚市の日本生命野球部の屋内練習場で汗。フリー打撃では5番・木下将吾(3年)が快音を響かせた。20日に大石卓哉部長(37)の異動が県教委から発表され、24日の初戦(対駒大苫小牧)へ、さらに気合が入った。

 木下が伸び伸びと打ち込んだ。大きなフォロースルーに乗ってライナー性となった打球が、屋内に張られたネットに次々と突き刺さる。この日も大阪は雨で、屋内練習場を借りてのフリー打撃となったが、日本生命の野球場は一昨年秋に完成したばかり。内野が丸ごと入る広さで天井も高く、「気持ちよく打てました」と声を弾ませた。

 シート打撃など実戦形式の練習が始まった2月から、ずっと好調を維持している。昨春も経験している主砲・成瀬和人(3年)に続く打順で、「4番が歩かされたときもチャンスを逃さず打ちたい」。19日に行われた太成学院大高との練習試合では、珍しく5打数0安打に終わったが、「いい当たりが外野手の正面を突いただけ」と気にしていない。

 負けられない理由が、ひとつ増えた。14年4月から4年間、野球部を支えてきてくれた大石部長が、母校でもある掛川西へ異動することが決まったのだ。「突然でビックリしました」と部長。栗林俊輔監督(45)も「監督が2人いるみたいなもの。大きな存在です」と信頼する熱血漢で、木下も「寂しいです」と表情を曇らせる。

 異動となる4月1日は、大会が順調に進むと静高が準々決勝を戦う日だ。「必ず2つ勝って、大石先生を送り出したい」と木下は力を込めた。22日は甲子園で開会式のリハーサル。開幕へ次第にムードは高まっているが、「いつも通り、やるべきことをやってほしい」という部長の言葉を守り、平常心で駒苫戦に向かう。(里見 祐司)

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