静高、駒苫打線の研究完了 春は自信の内角攻め仕上げでいざ出陣

スポーツ報知
開会式で堂々とした入場行進を見せる静高ナイン

 さあ出番だ、静高! 第90回記念センバツ高校野球大会が23日、甲子園球場で開幕した。24日の第2試合の2回戦で駒大苫小牧(北海道)と対戦する静岡高は開会式で堂々と入場行進した後、兵庫・尼崎市のベイコム野球場で約2時間、汗を流した。エース右腕・春翔一朗(3年)はブルペンで30球を熱投。聖地の先発マウンドへ、準備は万全だ。

 甲子園の本番へ、やれることはやった。「行進でテンションが上がりました。自信を持って行けます」。キッパリ言い切る春の表情には、闘志が満ちていた。

 ノックとフリー打撃。いつも通りに練習は進んだ。だがブルペンだけは普段と違った。栗林俊輔監督(45)が見守る前でエースが投げ込んでいる途中で、大石卓哉部長(37)がヘルメットなどの防具を着けずに右打席へ。春が希望したことだった。「大阪桐蔭の根尾や藤原といった打者を相手に投げるときはプレッシャーがかかる。監督や大石さんの内角に投げられるようにならないと」と春は意図を説明した。

 今年の1月にも部長に頼んだことがあった。しかし「コントロールに自信がついたときに、もう1度言いに来い」と断られた。そして駒苫戦を直前に控えたこの日、「行ける」という確信を持ってお願いした。男気を見せてホームベースぎりぎりに立ってくれた先生の胸元に、思い切りよく投げ込んだ。「いいボールが来ていました。思わず、のけぞってしまいました」。10球近くを打席で見極めた部長はエースを褒めた。

 相手打線の研究も済んでいる。春が絶対の信頼を寄せる、捕手の黒岩陽介主将(3年)は「神宮大会のDVDを見ました。だいたい大丈夫です」と話した。春と違い、開会式を終えても「去年より観客が少なかった」と分析するほど主将は冷静沈着。そんな正反対の性格のバッテリーが、力を合わせて駒苫の強打を封じ込める。試合開始予定時刻は11時半だ。(里見 祐司)

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