【センバツ】駒大苫小牧、自慢の強力打線が沈黙…夏に戻る

スポーツ報知
試合後、小走りで引き上げる駒大苫小牧ナイン

◆第90回センバツ高校野球大会第2日 ▽2回戦 静岡(静岡)7-0駒大苫小牧(北海道)(24日・甲子園)

 駒苫に、試練の春―。4年ぶり4度目出場の駒大苫小牧は0―7で静岡に完敗した。今季の対外試合6戦で72安打と好調を誇った打線も、相手エース右腕・春翔一朗(3年)の前に4安打と沈黙。試合前のシートノックで道原慧一塁手(3年)が送球を右目に受けて病院に搬送され、スタメンを変更するなど、アクシデントにも泣かされた。先発右腕の大西海翔(3年)も13安打7失点。ナインは悔しさを胸に刻み、夏に向けて再出発する。

 初回先制好機に 初4番横地併殺 涙もなかった。9回2死。最後の打者が二邪飛に倒れると、駒大苫小牧ナインは力無く三塁ベンチ前に並んだ。唇をかみしめ、バックスクリーンの電光掲示板を見つめる。0―7。佐々木孝介監督(31)は「正直、何もできず何もさせてもらえなかった。なんとか糸口を、と思ったが、流れが最初から来なかった」と肩を落とした。

 初回がすべてだった。2個の死球で1死一、二塁の好機を作ったが、初めて4番に座った横地颯左翼手(3年)が二ゴロ併殺打。「相手投手のテンポの良さに自分たちが合わせてしまった」。静岡の右腕・春がリズムを取り戻すと、6回はわずか4球で三者凡退。早打ちに走り、今季対外試合6戦で72安打の強力打線が4安打に終わった。

 「バタバタした」 指揮官動揺反省 アクシデントにも見舞われた。試合前ノックで先発予定だった一塁手の道原が送球を右目に当てて病院に運ばれた。規定では、突発事故などによる選手変更は、出場不能となった選手の打順、守備位置で試合を行うことになっている。

 そこで、福岡爽太三塁手(2年)を一塁で起用。試合開始まで選手交代はできないため、大西が1球を投げてから三塁の舞原陽和(3年)と福岡を交代させるドタバタで始まった。

 「試合直前まで(選手起用を)考えていて、私の方がバタバタしてしまった」と指揮官。大一番直前の緊急事態に、ベンチ内も動揺した。大槻龍城主将(3年)も「なんとか1勝して(道原と)一緒にやりたかった」。しかし、焦りから余計な力が入り、自慢のつなぎの打線が機能しなかった。

 「このままではいられない。この経験を糧にもう1度、夏に戻ってきたい」と佐々木監督は決意を新たにした。悔し涙はぐっとこらえ、最後の夏にうれし涙を流す。(清藤 駿太)

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