【センバツ】初戦で逆転サヨナラ3ランの明徳、逆転サヨナラ3ランで散る

スポーツ報知

◆第90回記念センバツ高校野球大会第8日 ▽3回戦 日本航空石川3x─1明徳義塾(30日・甲子園)

 逆転サヨナラ3ランで初戦(2回戦)を勝った明徳義塾(高知)は、完封目前のエース・市川悠太(3年)が9回に「逆転サヨナラ3ラン返し」を食らった。智弁学園(奈良)は、今大会初の延長戦で10回に劇弾を浴びた。サヨナラアーチを打ったチームが同一大会で打たれるのも、1日2本、1大会3本のサヨナラ弾も春夏通じて初めて。

 試合後のお立ち台。馬淵史郎監督(62)は、自虐的に敗戦を振り返った。「サヨナラ3ランで勝って、サヨナラ3ランで負けて。何て劇的な。自分の人生みたいな感じです」。普段通り丁寧に応じていたが「今年は自信があったんだけどね…。勝ってしゃべるんはいいけど、負けてしゃべるんはな…」。最後に本音を漏らし、囲み取材の輪を解いた。

 “逆転サヨナラ3ラン返し”で劇的に散った。中央学院(千葉)との初戦は、4番・谷合悠斗が逆転サヨナラ3ラン。この日は1点リードの9回無死一、二塁から、エース・市川が左越え3ランを浴びた。1大会2発の逆転サヨナラ弾は、春夏通じて史上初。指揮官は「上に行くには、投手戦で勝って打撃戦で勝って。優勝するには、勝ち切らないといけない。(勢いに)乗っていけるゲームをできるとこやったのになあ…」。

 流れを変えたのは、1つのサインミスだ。9回1死満塁。カウント1―1から、スクイズを仕掛けた。相手バッテリーはノーマーク。勝負を決める2点目を確実に取りにいったが、7番・菰渕太陽はサインを見逃していた。「(走者が)全員スタートして、バッターだけが知らん顔して。ようランナーが止まったわ。ツイている時は、あそこでヒットが出るんやけどね。1点でも入っておけば、流れも変わったんでしょうけど」。併殺打で無得点に終わり、ツキを手放した。

 チーム18度目の挑戦も、初のセンバツ制覇に届かず。大会前から自信を見せていた百戦錬磨の名将は、嘆くしかなかった。「サインを見逃すようなサインを出した監督の責任なんかな。勝ち負けは全て、責任は監督にくるんや。つらいよ、監督は」(青柳 明)

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