センバツ8強も日本航空石川・中村監督「全国制覇は決して手の届かない目標ではない」

スポーツ報知
明徳義塾との2回戦で杉本〈10〉と話し合う日本航空石川・中村監督

 センバツ高校野球で星稜、日本航空石川の両校が、石川県勢最高成績に並ぶベスト8進出の躍進を見せた。星稜の林和成監督(42)と航空石川の中村隆監督(33)がインタビューに応じ、センバツでの戦いを振り返るとともに、第100回記念大会となる夏の甲子園へ向けた意気込みを語った。13日には、金沢市内で春季石川大会の組み合わせ抽選が行われた。(取材・構成=勝田 成紀)

 日本航空石川は3回戦で神宮大会王者の明徳義塾(高知)に3―1でサヨナラ勝ち。準々決勝では“東の横綱”東海大相模(神奈川)と1―3の接戦を演じた。

 「優勝できなかったので、ベスト8には全然満足していない。ただ『優勝旗は見えているが、まだ遠いな』とも感じた。相模戦は3試合目。夏は6回勝たないと優勝できないので、まだ半分。準々決勝からの3試合の方がはるかにしんどい。夏にそこを乗り切る体力、精神力をつけるため、死に物狂いで取り組んでいく」

 投手陣は左腕・杉本壮志(3年)を中心に、3試合でわずか4失点に抑えた。

 「杉本はレベルの高い相手に、上出来の投球だった。センバツ前の練習試合でも高校生相手に1点も取られていないし、冬場で本当に成長した。夏へ向け、右の2人(大橋修人、重吉翼)にもっと力をつけてもらいたい。球威を落とさず100球を投げられる体力をつけ、直球も常時140キロ出せるようになってほしい」

 「打ち勝つ」チームの看板である打撃は、明徳、相模戦で5安打ずつと沈黙。本領を発揮できなかった。

 「スピードボールへの対応はできていたが、フルスイングすることに特化してしまっていた。無死一、二塁で右方向へ打つなど、もっと状況に応じた打撃ができれば、バントをしなくても打ち勝つ野球ができる」

 昨夏の甲子園メンバー9人が残った現チームは、結成当初から「全国制覇」を目標に掲げる。圧倒的な打撃力を武器に、まずは3季連続甲子園出場に挑む。

 「全国制覇は決して手の届かない目標ではない。やっと『全国に出る』だけでなく『全国で勝つ』というチームになってきた。選手たちも浮かれることはないと思うが、もう一度夏へ向けて足元を固めたい。センバツでも見せた星稜の粘りは怖いが、どこが相手でも勝ち抜く自信はあります」

 ◆中村 隆(なかむら・たかし)1984年4月8日、兵庫県生まれ。33歳。神戸弘陵高では主将で4番・遊撃手。甲子園出場はなし。明大では内野手で副主将。2007年4月に航空石川のコーチに就任し、15年8月から監督。監督としての甲子園出場は17年夏、18年春。

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