東海大甲府、新戦力で1勝 大会前に部員不祥事、当該選手外し出場

スポーツ報知
昨夏以来の公式戦登板で6回1/3を4安打7K無失点と好投した東海大甲府・小野寺

◆春季高校野球 山梨県大会第2日 東海大甲府7―1増穂商(14日、山日YBS球場)

 2回戦5試合が行われ、東海大甲府は、昨夏の県決勝以来の公式戦登板となる右腕・小野寺瑞生(3年)が、6回1/3を投げ、4安打7奪三振無失点。増穂商に7―1で勝利し、2季連続県制覇へ好発進した。

 昨秋王者・東海大甲府が波に乗り切れないなかでも、底力を見せた。初回に犠飛で1点を先制すると、3回には故障者に代わって出場した9番・寺島健太中堅手が、5回2死三塁からは4番・山本将大捕手(ともに3年)が本塁打を放ち、5回までに5得点。残塁9、連打なしとリズムを欠いたが、村中秀人監督(59)は「山本だけでなく寺島のように新しい選手が打ってくれた」と、新戦力をたたえた。

 マウンドでは昨夏以来の公式戦登板となった右腕・小野寺がこの日最速139キロを記録した直球を軸にカーブ、スライダーを織り交ぜ好投。6回1/3を4安打7奪三振、無失点でチームを鼓舞。「やっぱりマウンドは気持ちいい」と汗をぬぐった。

 大会前に野球部員の喫煙が発覚し日本高野連から注意を受けた。出場辞退の可能性も残すなか、話し合いを重ね、該当選手をメンバーに含めずに出場を決めた。村中監督は「ここにいるのは真面目に一生懸命やってきた選手たち。その思いを受けとめたい」と胸の内を明かした。

 小野寺は「僕たちはまだ甲子園に行ってない。最後の夏、自分があのマウンドに立ちたい」と意気込む。主将の二村航多遊撃手(3年)も「今は一生懸命野球をやるだけ」と短い言葉に決意を秘める。攻守が力を合わせ、2季連続優勝へ勝利を重ねる。(大津 紀子)

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