人間力の北海、3年計画のクラーク、センバツリベンジの駒苫…100回記念の夏に向けた北海道3強の動き

スポーツ報知
左から、「人間力」の向上で4年連続夏の甲子園を目指す北海・平川監督、3年計画で選手を育成するクラーク・佐々木監督、例年以上のトレーニングを課してきた駒大苫小牧・佐々木監督

 第100回大会を迎える今夏の甲子園に向けて、道内の強豪校はこの冬、様々な取り組みに挑んできた。今春のセンバツに出場した駒大苫小牧は、例年にない徹底的な体力作りを行った。2年ぶりの甲子園出場を狙うクラークは、蓄積されたデータのもとで3年計画を実施。北海は同校の戦後最長記録を更新する南大会4連覇に向けて人間力を磨いてきた。それぞれのオフの過ごし方にスポットを当て、高校野球担当の清藤駿太記者が春、そして夏本番を「占った」。

 目指す“場所”は変わらない。ただ、どの学校も今夏に懸ける思いは強いだろう。今夏の甲子園は第100回を迎える。春夏連続の甲子園を狙う駒大苫小牧の佐々木孝介監督(31)はセンバツ後、「どの学校も100回大会は死に物狂いで取りに来る。どれだけ悔しさを持って戦えるか」と夏を見据えていた。

 春の駒大苫小牧は“未完成”だった。初戦で静岡に0―7で完敗。ただ、この冬に佐々木監督が取り組んだのは例年にない体作りだった。実戦中心だった4年前と違い、今年は3月まで徹底的に基礎練習。指揮官は「夏を見据えてのこと」と説明した。

 通常、筋肉はトレーニングを始めて3、4か月でつき、そこから大きくなった筋肉を上手に動かせる技術を体に覚えさせ、実戦に結びつく。エース右腕・大西海翔(3年)は「9回を投げきっても疲れは感じなかった」と、一定の成長は実感している。

 春夏計13度の甲子園を知るクラークの佐々木啓司監督(62)は持論を展開する。「冬場のトレーニングの柱は変えない」。前任の駒大岩見沢時代から10種類の体力測定のデータをすべて蓄積。毎年秋に計測し、設定した数値をクリアできなければ、負荷を掛けて継続していくなど、逆算して甲子園への「3年計画」を進めてきた。

 また、南大会4連覇が懸かる北海が冬に取り組むのは「人間力」の向上だ。平川敦監督(46)は「高校生は考え方の成長なくして野球の成長はない」と言う。今年4月の沖縄キャンプでも、野球以前に礼儀や考え方を指導。「野球は人がやること。日本一になりたいなら、自分には何ができるか? 自己犠牲を分かれば成長になる」と強調した。

 「冬」を制する者が「夏」を制す。100回大会への戦いは、すでに始まっている。その前哨戦となる春の地区大会から、注目していきたい。(清藤 駿太)

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