私学3校撃破の横浜市立金沢、快進撃とまる…コールド負けも収穫“一敗”

スポーツ報知
鎌倉学園に敗れスタンドに報告に行く金沢ナイン

◆春季高校野球神奈川県大会 ▽準々決勝 鎌倉学園13―3金沢=5回コールド=(22日・サーティーフォー保土ヶ谷)

 私学3校を撃破し、公立校で唯一8強入りした金沢(横浜市立)が準々決勝で鎌倉学園にコールド負けし、快進撃が止まった。

 初回に主将・堀井翼(3年)の左中間適時二塁打、渡辺陽(3年)の左越え二塁だなど3安打で2点を先行したが、今大会を一人で投投げきってきていたエース右腕・田中翔(3年)がその裏に捕まった。

 鎌倉学園の松丸航太郎(3年)に同点2ランを被弾すると、内野陣の守備にほころびが出る。ボテボテの二塁ゴロが野手の手前で大きくイレギュラーするなど、不運もあり打者13人の猛攻で9点(自責2)を失ってしまった。

 終わってみれば5回コールド。李剛監督は「木っ端みじんだった。1点はしょうがないと思っていたけれど、一気に持って行かれた」と話したが、収穫も口にした。

 初戦の2回戦で湘南工大付に勝利すると、3回戦では名将・土屋恵三郎監督が率いる星槎国際湘南を撃破。4回戦では甲子園出場経験のある横浜隼人を打ち破った。同校を率いて6年目となる指揮官は「点差ほど実力差はないと思っている。やれば出来ることを選手たちが分かってくれたと思う。彼らの基準が変わってくれれば…」と期待した。

 エース田中翔は「自分の力不足。(大量失点の場面は)ホームランを打たれてかっとなってしまって、気持ちがキレてしまった」と反省。3月の練習試合では鎌倉学園を7回1失点に抑え勝利していたが、「(相手に)データを取られていたのか、外の変化球に手を出してくれなかった。でも今まではずっと負けていたので経験できなかったこと」と収穫を口にした。

 今大会は25人のベンチ入りが許されるが、3年生13人、2年生4人の17人で戦った。新入生12人はスタンドで見守る中での快進撃。ベンチ入り17人中、中学で硬式経験者は2人。「みんな中学では補欠だった。でも理解すればやるし伸びる。この冬は本当に頑張ったし、今大会はそれが形になった」と李監督は進学校ならではの“伸びしろ”を説明した。

 昨年4月から、横浜で03年センバツで準優勝した時の主将・吉田斉さんが、横浜商から転任し部長に就任した。田中翔は「吉田先生からは戦術や技術を教えてもらいました」と成果を語る。

 二人三脚での指導がかみ合って、今夏は創部史上初の第1シードで南神奈川大会に臨む。「気持ちの面でも自信になったと思う」と李監督は手応え。夏の旋風の予感が漂っている。

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