巨人・斎藤投手総合コーチの系譜を受け継ぐ川口市立が初戦突破

スポーツ報知
10回を投げきった川口市立・星山

◆春季高校野球埼玉県大会 ▽1回戦 川口市立3―2白岡=延長10回(24日・県営大宮公園)

 4月に市川口など3校が統合してスタートした川口市立が、サヨナラ勝ちで初戦を突破した。2―2で迎えた10回、1死満塁で中村祐太(3年)が試合を決める一塁強襲安打を放った。エースの星山祥輝(3年)は6回、後頭部に死球を受けるアクシデントにもめげず、右サイドからストレート、スライダーなどをていねいに低めに集め、被安打7、無四球で10回を投げきった。試合直後は氷で後頭部を冷やしながら「大丈夫です。たんこぶができたくらいですから」と笑った。

 183センチの長身で、昨秋まではオーソドックスなオーバースローだったが伸び悩み、NTT東日本を率いていた長井秀夫監督、日体大で投手として活躍した鈴木久幹部長と相談し10月下旬からサイドスローへ転向。球速は最速120キロ台後半だが「腕が長い分、ボールに角度がつくようになりました」と手応えを感じた。長井監督も「フォームを変えて体が開かなくなりました」と成長を認めている。数日前には市川口OBでもある巨人・斎藤雅樹投手総合コーチの現役時代の動画を見て研究。「斎藤さんのフォームのテイクバックと腕の振りが大きいところが参考になります」と話した。

 3月下旬の関西遠征では、昨夏甲子園優勝の花咲徳栄との練習試合でプロも注目する野村佑希(3年)から三振を奪うなど強力打線を相手に好投し「自信になりました」。今春から1番を背負い、地区予選からの3試合を完投。すべて1点差だったが、粘り強く投げ抜いた。

 川口市立はこの4月、川口市内の市川口、川口総合、県陽の3校が統合し新校としてスタート。2、3年生はそれぞれ在校していた学校から持ち上がりとなるが、川口総合、県陽は野球部がなかったため、市川口の系譜を受け継いでいる。ユニホームも新調し、以前からの縦じまを残して胸の文字を漢字の「市立川口」からローマ字の「KAWAGUCHI」に変えた。「校名は代わっても気持ちは市立川口です」。次も投げます」と星山。夏のシード権獲得がかかる2回戦をにらんだ。

野球

×