向陽、71年ぶり夏へシードゲット…逆転で準決勝進出

スポーツ報知
逆転し、ベンチで大いに盛り上がる向陽ナイン(カメラ・伊井 亮一)

◆高校野球 春季大会大会(6日)

 夏の甲子園で優勝2度の向陽が和歌山大会準々決勝で熊野を4―2で破り、7年ぶりに夏の和歌山大会のシードを獲得した。8回に4点を奪って逆転勝ちし、堀内孝貢監督(67)は「このチームはあきらめない。去年のチームの元気を引き継いでくれた」と、褒めたたえた。

 甲子園は春夏合わせて22度出場し、前身の海草中は1939、40年の夏に連覇した。39年に5試合連続完封、準決勝と決勝で2試合連続無安打無得点を達成した嶋清一さんを輩出した。

 伝説の名投手は24歳で戦死し、08年に殿堂入りした。部員は入部時に嶋さんの著書を渡され、「平和な時代に野球ができることを幸せに感じよう!」と、背中に英語で書かれた練習着を使用する。背番号1の小林亮太(3年)は「向陽の投手は嶋さんに近づいていかないと」と、大先輩の足跡を心に刻んでいる。

 今夏の和歌山大会は第100回を記念し、夏の甲子園に出場経験がある14校のOBらが始球式を務める。初日は桐蔭、2日目が向陽、準決勝が智弁和歌山で決勝が箕島だ。向陽は海草中時代のユニホームで始球式に臨む予定。「春の結果はOBの励みになる」と堀内監督。準決勝で智弁和歌山から金星を挙げれば、71年ぶりの夏も夢ではなくなる。(伊井 亮一)

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