元PL清水哲さんのおい・颯大が復活弾!北海道栄、2年ぶり代表決定戦

スポーツ報知
2回に中越えソロを放った北海道栄・清水

◆春季全道高校野球 室蘭地区予選 ▽Aブロック3回戦 北海道栄7―0苫小牧中央(17日・とましん)

 3地区で6試合が行われた。室蘭地区では北海道栄が苫小牧中央に7―0の8回コールド勝ち。全道準優勝した2016年春以来、2年ぶりの代表決定戦に駒を進めた。昨秋の地区予選直前に故障離脱した清水颯大(そうだい)遊撃手(3年)が、打っては2回に公式戦第1号ソロ、守っては遊撃で7度の守備機会をこなすなど攻守で躍動。PL学園(大阪)野球部出身で、重度の障害を負いながら多方面で活躍する清水哲さん(52)を叔父に持つ背番号6が、“完全復活”を告げた。

 豪快なスイングが完全復活を物語っていた。2回、先頭で迎えた北海道栄の1番・清水が強振した打球は、弾丸ライナーで中堅芝生席に突き刺さった。記念すべき公式戦第1号は中押しソロ。「自分の持ち味を出せた」。守っては約9か月ぶりの遊撃で、7度の守備機会を無難にこなすなど攻守で躍動。野球ができる喜びを心の底から感じていた。

 昨秋の地区予選直前。清水は右膝靱帯(じんたい)断裂と、半月板損傷の大けがを負った。全治5か月と診断されて秋は絶望。松葉づえでスタンドから応援したが、全道準決勝で旭川実に3―4で惜敗した。1年秋から遊撃として引っ張ってきたが、「何もできず、チームに迷惑をかけてしまった」。悔やんでも悔やみきれなかった。

 長く苦しいリハビリ生活。レギュラーを取り返せるのか―。不安の中で支えとなったのが、叔父・哲さんの存在だった。PL学園で桑田真澄氏=本紙評論家=、清原和博氏の1学年先輩で外野手として活躍。同大進学後、走塁時に相手選手と激突し、第四・五頸椎(けいつい)脱臼骨折で首から下の自由を失った。それでも、車いすで講演会に回るなど、多方面で活躍してきた姿を清水も知っているからこそ、リハビリも乗り越えられてきた。

 父・寛さんの弟にあたる哲さん。KKコンビとも親交が深く、清水も幼少時には清原に抱きかかえられた思い出があるという。今年の正月には実家の大阪に帰省した際、哲さんから「やってしまったものはしょうがない。早く治せよ」と激励をもらい、バッティングセンターでは打撃指導も受けてきた。清水は言う。「叔父さんにいい報告がしたい」。“甲子園出場”の吉報を届けるためにも、まずは実りの春を過ごす。(清藤 駿太)

 ◆清水哲さん PL学園3年の84年春、夏ともに甲子園で準優勝。夏の甲子園決勝戦では、取手二高(茨城)のエース右腕・石田文樹(元横浜)から、9回に同点ソロを放ち脚光を浴びた。同大1年時の秋の関西学生リーグ・近大戦で、5回2死一塁で、二塁へのヘッドスライディングを試みた際に相手遊撃手と激突。第四・五頸椎(けいつい)脱臼骨折の大けがを負った。以後は講演活動に加え、桑田らに支えられた経験をつづった自伝「桑田よ清原よ生きる勇気をありがとう」を執筆。ベストセラーとなった。

 ◆清水 颯大(しみず・そうだい)2000年4月21日、大阪市生まれ。18歳。父の影響で4歳から野球を始める。門真はすはな中時代はオール枚方ボーイズに所属し、内野手として活躍。高校では、1年秋から背番号6でスタメンに定着した。168・5センチ、77・5キロ。右投右打。家族は両親と弟。

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