日大三、逆転サヨナラで12年ぶり春の関東大会V王手

スポーツ報知
7回に同点2ランを放ち、ベースを一周する日大三・佐藤コ

◆高校野球春季関東大会 ▽準決勝 日大三9x―8常総学院(22日、千葉県天台)

 関東大会の準決勝は、いずれも9―8、逆転サヨナラで決着する大熱戦となった。日大三(東京)は4度のビハインド、最大5点差をはね返す驚異の粘りで常総学院(茨城)を下し、優勝した06年以来の決勝進出。高崎健康福祉大高崎(群馬)も木更津総合(千葉)を破り、優勝した12年以来の決勝に駒を進めた。

 出番に飢えた控え選手が、驚異の粘りを演出した。日大三は1点を勝ち越された直後の9回裏、先頭の3番・日置航主将(3年)が左中間に同点ソロ。さらに1死満塁から途中出場の高木翔己外野手(3年)が中前にサヨナラ打。「公式戦でこんなに試合に出るのは初めて。楽しむしかないと思って打席に入りました」と息をはずませた。

 未完の大器も輝いた。2点を追う7回には、2死三塁から途中出場の佐藤コビィ外野手(3年)が右中間に同点2ラン。ガーナ人の父を持ち、チーム屈指の長打力を持つスラッガーは「逆方向だったら、自分がチームで一番飛ばせる。入ってくれてうれしかった」と高校通算6号を喜んだ。

 冬場は、小倉全由監督(61)が付きっきりで自主練習を指導。力んで引っ張るクセの矯正に取り組んできた。「ずっと練習を見てもらっていたので、何とか結果で恩返しがしたい。もっともっと打たないと、恩は返しきれないです」とコビィ。選手層に厚みを増した日大三が、12年ぶりの春の関東王者に王手をかけた。(片岡 泰彦)

野球

×