【北北海道】帯広北、全国一番星!指揮官「きっと勝つ」でメッセ入りキットカット配布

スポーツ報知
樽見監督のメッセージが書かれたチョコを手に笑顔の帯広北・福永

◆全国高校野球選手権 北北海道十勝大会 ▽Bブロック1回戦 帯広北8―2上士幌・更別農・士幌・新得・大樹(23日・帯広の森)

 100回目の夏が始まった。第100回記念全国高校野球選手権(8月5日開幕・甲子園)の北北海道十勝、南北海道函館、札幌、室蘭地区予選が、沖縄と並んで全国のトップを切って開幕した。十勝地区では開幕戦で、帯広北が上士幌・更別農・士幌・新得・大樹の5校連合チームに8―2で快勝。試合前に樽見豊監督(50)から配られたメッセージ入りのチョコレート菓子にナインは奮起し、日本一早い夏1勝を挙げた。

 午後0時11分。日本一早い夏の1勝を告げる帯広北の校歌が、球場中に響き渡った。13安打8得点。2時間6分の快勝劇に、樽見監督は「狙っていました。(夏1勝一番乗りの)権利があるのは、うちと連合チームだけ。そりゃ、うれしいですよ」と目尻を下げた。

 全国で最も早い午前10時5分のプレーボール。初回1死二塁で5番・福永敦也三塁手(3年)が、「とにかくつなぐ意識だった」と中越え適時三塁打で先制。3回には4安打を絡めて4得点を奪えば、先発した左腕・黒島隆海(たかみ、3年)もカーブを主体に5回を無安打無失点で勝利を手繰り寄せた。

 “作戦勝ち”だった。今春の地区1回戦では帯広工に1―2で惜敗。凡打を恐れてバットを振れないナインを見かねて、今大会直前の旭川遠征で樽見監督はスナック菓子「ベビースターラーメン」のチキン味を20袋ほど購入。臆病者の「チキン」に掛け、消極的なプレーをした選手に「チキンを克服してほしい」という願いを込めて配ってきた。

 この日の試合前には、指揮官からメッセージが書かれたチョコレート菓子「キットカット」が、「きっと勝つ」に掛けてメンバー18人とマネジャーに配られた。「たくさん声出し、チームを引っ張れ!」との言葉を贈られた福永は奮起し2安打3打点と打線を先導。「“チョコっ”とうれしいです」と、“お菓子作戦”は大成功だった。

 1987、89年と2度、夏の甲子園に出場した伝統校も、03年夏を最後に北大会からも遠ざかる。15年秋にOBの樽見監督が就任し、チームの立て直しを図ってきた。「今の子たちは気持ちが弱いので、お菓子をきっかけに奮い立ってくれれば」。夏一番星の勢いそのままに、29年ぶりの聖地へ突き進む。(清藤 駿太)

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