“羽生世代”大谷、フリー打撃初登板で30球無安打ショー

スポーツ報知
フリー打撃に登板し好投したエンゼルス・大谷(右、LA Angels提供)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が17日(日本時間18日)、今キャンプ初めてフリー打撃に登板した。2イニングを想定し、メジャー最年長勝利記録を持つジェイミー・モイヤー氏の息子ら左右1人ずつのマイナー打者に対して計30球を投げ、安打性ゼロ。直球でファウルを稼ぐなど威力十分だった。また、平昌五輪フィギュアスケート男子で2大会連続金メダルを獲得した同い年の羽生結弦を祝福した。

 大谷の剛速球が右打者の懐をえぐる。マイナー選手、B・モーガンが振り抜いた打球は左翼方向への力のない飛球に変わった。“今季初登板”は30球を投げて安打性ゼロ。エプラーGMらエ軍関係者約30人が見守る中、上々の滑り出しだ。「まずはしっかり投げられたことが一番良かった。いい球、悪い球もあった。いい感覚も確認できた。すごくいい練習ができた」。正捕手・マルドナドとのグータッチも決まった。

 ボール球は14球。制球が安定しなかったように映るが、昨年ゴールドグラブ賞に輝いたマルドナドの目は違った。5分間のインターバルを取ったイニング間は乾燥した気候のキャンプ地での投球について話し合ったという。「ここはシーズン中に曲がるように球が曲がらない。2イニング目はかなり良かった。1イニング目にスライダーでボールになった後、その直後に投げたスライダーが信じられないほど良かった」

 この日は湿度が39%。マウンドに自らロージンバッグを持ち込んだ。これまでに同僚のA・ヒーニーから額や上腕の汗やロージンバッグを使うよう助言を受けてきた。「1球ごとに調整ができれば大丈夫。彼はそれができる」とマルドナド。広い米国大陸でも戦う修正力は十分に備えている。

 平昌五輪で、羽生結弦が2大会連続の金メダルを獲得した。かつて1994年生まれを「羽生世代」と表した大谷だが、米スポーツ局で生中継された羽生の演技はテレビで見ていなかったという。それでも「同級生なので、みんな応援している。本当におめでとうございますというか、すごいなと思った」と刺激を受けた様子だ。18日は、ほぼ休養日となり、次回のフリー打撃での登板は20日か21日の予定。今はメジャー二刀流の実現へ集中する。(小谷 真弥)

 ◆意識し合う大谷と羽生 大谷は2016年1月、都内で行われた「テレビ朝日 ビッグスポーツ賞」表彰式に出席。同じく壇上にいた同学年の羽生に向け「今は間違いなく羽生世代。種目は関係なく世界のトップ。僕なんかは話しかけられない」と冗談めかして話した。その羽生は17年4月に、二刀流として奮闘する大谷について「新たな境地に踏み出そうとしている勇気や、貪欲に努力をし、自分を研究しているところとか、すごく勉強になるし尊敬している」と敬意を表した。

野球

×