MLB記者が厳選 二刀流・大谷を迎え撃つア・リーグ西地区4チーム主力選手

スポーツ報知
フォトデーに臨んだ大谷翔平は二刀流選手らしくバットとグラブを持ってポーズをとる

 エンゼルスは22日(日本時間23日未明)、キャンプ地の米アリゾナ州テンピでメディア向けのフォトデーを開催した。大谷翔平投手(23)やマイク・トラウト外野手(26)ら主力選手が参加。二刀流の大谷は白いユニホームに身を包み、バットやグラブ、ヘルメットを手に参加した。

 日本から海を渡った大谷の二刀流に注目が集まる2018年のメジャーリーグ。それを迎え撃つメジャーのスタークラスは、虎視たんたんと“打倒大谷”をうかがっている。

 スポーツ報知では、昨季世界一に輝いたアストロズのホセ・アルテューベ内野手をはじめ、今季19試合も戦うア・リーグ西地区4チームの主力選手を紹介する。(構成・小谷真弥、蛭間豊章)

 ◆昨季MVP アストロズ・アルテューベ

 “小さな巨人”がメジャー二刀流の成功を目指す大谷の前に立ちはだかる。アストロズのアルテューベ、身長167センチはメジャー最小だが、昨季は2年連続リーグトップの打率3割4分6厘、24本塁打、81打点、32盗塁を記録。14年から史上5人目の4年連続200安打以上をマークし、ヤンキースのジャッジ外野手を退け、ア・リーグMVPを受賞した。

 日本人投手にもめっぽう強い。昨季のドジャースとのワールドシリーズ(WS)第5戦の5回、2番手の前田から同点3ランを放ったのが印象的だ。ポストシーズンではヤンキース・田中、ドジャース・前田、ダルビッシュ(現カブス)と対戦し、13打数4安打と要所で好打を飛ばし球団初の世界一をけん引。日本人投手との通算成績は、打率3割3厘、3本塁打と強い。

 メジャーリーガーらしからぬ体の小ささで、メジャーデビュー前に球場警備員に止められたのは有名な話。それでも、4番を打つ身長193センチの大型遊撃手、C・コレアとのコンビは他球団の脅威で、今では本拠地でアナウンスされる度に一番の大歓声を浴びるほどの人気選手となった。“小さな巨人封じ”が大谷のメジャーでの成功のカギを握っているといっても過言ではない。

 ◆唯一2年連続40発超アスレチックス・デービス

 エンゼルスの開幕カードは、敵地でのアスレチックス4連戦。大谷にとってもデビュー戦になるのは間違いなさそうだ。

 そんなアスレチックスの主砲といえば、現在のメジャーではただ一人2年連続して40本塁打(昨季は43本)をマークしている右の強打者、クリス・デービスだ。身長は178センチと小柄ながら強靱(きょうじん)なリストでスタンドに放り込むパワーを持ち合わせている。

 昨年、195三振を喫するなどやや粗削りで打率も2年続けて2割4分7厘だが、右投手からは36本をたたき込んだ。

 注目したいのは右翼方向への一発が半分近い19本もあることだ。安易な外角攻めは危険信号ともいえる。

 また、対戦数の多い同じア・リーグ西地区相手には一昨年23本、昨年25本。エンゼルス戦にも6本、5本と打ち込んでおり、大谷にとっては大事な場面で迎えるデービスは一番の要注意人物だ。

 ◆マリナーズの年俸28億円エース・ヘルナンデス

 一昨年はふくらはぎ、昨年は右肩の張りを訴えて故障者リストに入ったものの、フェリックス・ヘルナンデスは今季年俸2686万ドル(約28億7400万円)、通算160勝を誇るマリナーズのエースの貫禄は衰えていない。

 エンゼルス戦は通算16勝16敗の五分だが、最近5年間に限ると10勝7敗、防御率はカード別最高の2.31、故障さえなければ計19試合ある同カードで2015年のように最大6度の先発の可能性がある。

 大谷がDHで先発起用されそうな要因の一つに、通算614本塁打の主砲・プホルスが、6年間の対戦で打率2割、本塁打は初対戦の12年に打った1本きりというデータ(トラウトは3割6分7厘、7本塁打)があるのだ。150キロを超える速球とスライダーにきりきり舞いで、最近3年間は打点も挙げていない。それだけにヘルナンデスVS大谷が多く見られるはずだ。

 ◆イチロー並み安打製造機レンジャーズ・ベルトレ

 エイドリアン・ベルトレは昨季、史上31人目の通算3000安打をマークした強打の三塁手。イチローが打率2割台に低迷するようになった2011年以降、つまりレンジャーズに移籍後7年間で5度3割以上の高打率をマーク、30本塁打以上も4度。故障で98試合の出場に終わった昨季も17本塁打、71打点で150試合出場なら30発、100打点のペースだった。

 2007年までに5度あった100三振以上が最近10年間は0、また、レンジャーズ移籍後のエンゼルス戦での強さも目につき、昨季はわずか10試合の出場ながら5本のアーチを放って同カードの勝ち越しに大きく貢献した。今季でメジャー21年目ながら年齢は4月7日の誕生日でまだ39歳と老け込む年齢でもない。

 相手投手の変化球などに崩されない柔らかい打席はメジャー出色。大谷攻略でイチローとの38本差の通算安打数を伸ばす。

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