イチローのマリナーズ復帰に地元ファン「最高!」「彼を待っていた」けが人続出で電撃決定

スポーツ報知
12年以来、マリナーズに復帰するイチロー

 マーリンズからFAになったイチロー外野手(44)が、古巣マリナーズにメジャー契約で復帰することが5日(日本時間6日)、明らかになった。FA市場が停滞する中、マ軍の正左翼手・ギャメルが腹斜筋を痛めたこともあり、急きょ渡米。この日までにシアトルで身体検査も受け、6日(同7日)にもアリゾナ州ピオリアでキャンプを行うチームに合流する。背番号は空き番号でもある51になる見通し。“50歳まで現役”を目標に掲げるレジェンドの、日米通算27シーズン目がスタートする。

 イチローが6年ぶりにシアトルへ帰ってくる。メジャー18年目の舞台は、数々の伝説を生み出したセーフコ・フィールドだ。マリナーズと合意間近とのニュースが地元紙のシアトル・タイムズ電子版に掲載されると、地元ファンからは「最高!」「彼を待っていた」など多くの祝福の声が寄せられた。04年のシーズン262安打の年間最多安打樹立、そして10年連続となる200安打&打率3割など、12年途中までチームの顔だったレジェンドの帰還に、市民は早くも歓迎ムードだ。

 FA市場は例年になく停滞していたが“追い風”が吹いて電撃移籍が決まった。マ軍はオフに、マーリンズでイチローのチームメートだったゴードンを獲得。二塁から中堅にコンバートさせた。ところが、正右翼手のハニガーは右手を痛めて欠場続き。第4の外野手・ヘレディアも昨秋に右肩を手術し、まだ2打席しか立っていない。さらには昨季、左翼の定位置を奪った25歳のギャメルが右の腹斜筋を痛めて、4~6週間の離脱を余儀なくされた。

 外野手にけがが相次いだことで、イチロー獲得に消極的だったマ軍も状況が一変。神戸市内で孤独のトレーニングを積んでいた、メジャー現役最年長野手へと白羽の矢を立てたのだ。

 ヘレディア、ハニガーの回復が遅れるようならば、イチローは開幕スタメンに名を連ねる可能性も高い。ただ、ギャメルは昨季、打率2割7分5厘、11本塁打と確かな実績を有する。イチローはギャメルが復帰するまでに、ある程度の成績を残す必要がある。かつてマ軍では、チーム初の殿堂入りを果たしたグリフィーが、復帰2シーズン目の10年にあまりの不振からシーズン途中に現役引退を発表したこともある。シーズン中に故障者が戻ればマイナー落ちの危機にもなるが、百戦錬磨のイチローだけに、踏みとどまるすべは知っているはずだ。

 日本のファンには夢が広がる。二刀流・大谷が在籍するエンゼルスとマ軍は同じア・リーグ西地区に属し、今季は19試合も組まれている。最初の対戦は5月4日から、シアトルでの3連戦。そこまで外野陣のサバイバルに勝ち抜き、チームで存在感を示せるか。44歳の新たな挑戦が始まる。

 ◆イチロー(鈴木一朗=すずき・いちろう)1973年10月22日、愛知県生まれ。44歳。愛工大名電から91年のドラフト4位でオリックス入り。94年からプロ野球新記録の7年連続首位打者。2000年オフにポスティングシステムでマリナーズと3年契約。メジャー1年目の01年に首位打者を獲得し、ア・リーグMVPと新人王に輝く。2度目の首位打者となった04年は262安打のシーズン最多安打で、メジャー新記録を樹立。07年はオールスター戦史上初のランニング本塁打を放ち、MVP受賞。10年には前人未到の10年連続200安打を達成。12年7月にトレードでヤンキース移籍。15年にマーリンズ入り。メジャー通算安打は歴代21位の3080本。180センチ、79キロ。右投左打。

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