大谷翔平、4の0もフルスイング!復調の兆し

スポーツ報知

◆オープン戦 エンゼルス4―2レンジャーズ(18日・サプライズ)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が18日(日本時間19日)、敵地で行われたレンジャーズとのオープン戦に「7番・指名打者」で先発出場も4打数無安打。12打数連続無安打となった。オープン戦は24打数2安打の打率0割8分3厘まで下がり、対左投手は8打数無安打となったが、そこには復調の気配も。メジャー担当・小谷記者が、大谷のフルスイングと表情&コメントから「見た」でひも解いた。

 日米の報道陣が大挙する大谷クン取材。金の卵のストレスをためないよう、取材方式は球団側と相談の上で毎日のように変化する。先発登板日は全員参加の会見が開かれるが、この日は数人による代表者方式。私は試合前に行われた壮絶な大ジャンケン大会に勝ち、運良く質問役となった。

 威勢のいいコメントを聞きたい、書きたい。今日こそ打ってくれ―。そんな心の叫びも届かず、3人の左腕に4打数無安打。4回1死三塁では鋭い打球が投手のグラブに収まり、三塁走者も飛び出して併殺に。「多少差し込まれているので、グラブが間に合うタイミングになる」と感覚のずれも口にした。打率は1割を切り、0割8分3厘まで下降した。

 いよいよ、お通夜のような取材か…。だが、そんな心配は無用だった。

 表情は明るい、明るい。水原通訳と何やら談笑しながら登場。左投手からはいまだ無安打で「日本ハム時代は右より左を打っていた【注】。日米の違いは」と問うと「特殊な球や何を投げてくるか分からない違いはある。基本的に左右は関係ない」と回答。各質問者と目を合わせて答えるのが印象的だ。

 この日はカウント3ボール1ストライク、2ボール1ストライク、2ボールナッシングと打者有利の状況から積極的に振った。ファウル3球、空振り1球ながら、体がよじれんばかりの豪快なフルスイング。4打席目の空振り三振はマン振りだった。大谷クンは「ちょっとしたズレ。ストライクゾーンの認識は進歩してきている」と振り返る。

 ストライクゾーンを把握しつつある。フルスイングが何より復調の兆しだ。ソーシア監督も「最後の打席は持っていくべき状態に一番近かった。明らかに進歩している。タイミングさえ合えば問題ない」と評価した。周囲の雑音を封じる圧倒的なパフォーマンスは、そう遠くはない。(小谷 真弥)

 【注】大谷は日本ハム時代の17年は対左投手で打率3割4分9厘(43打数15安打)、1本塁打をマーク。右投手は打率3割2分7厘(159打数52安打)、7本塁打だった。16年は左投手に対し打率3割7分5厘(96打数36安打)、7本塁打。対右投手は打率3割(227打数68安打)、15本塁打だった。

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