大谷が苦しんだ3度目先発 データに絶好調前回登板と異なる痕跡

スポーツ報知
MLB「Baseball Savant」より

◆エンゼルス1―10レッドソックス(17日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が17日(日本時間18日)、本拠地・レッドソックス戦でメジャー初黒星を喫した。立ち上がりからスプリットの制球に苦しみ、右手中指のマメの影響でメジャー最短の2回4安打3失点で降板した。前回登板で武器になったスプリットにどのような変化があったのか? データで追ってみた。

 MLB「Baseball Savant」で公開されているデータ「Statcast」を独自に解析すると、大谷のレッドソックス戦でのスプリット平均回転数は、前回登板の8日・アスレチックに比べて、大幅に上昇していた。

 スプリットは回転数が少ないほど、ボールに落差が生じる。マグヌス効果による浮力が生まれないためだ。大谷は試合後「今日はフォーク(スプリット)が引っかっていた」と話しており、うまくボールを抜くことができなかった。前回登板では、大きな落差が武器となったことが、奪三振につながっていたことがわかる。

 また登板日別の全投球リリースポイント(高さと横)を見ると、これまでの2回の登板に比べ、ばらつきが見られた。完璧な投球を見せた8日の登板ではリリースポイントがほぼ一か所にまとまっており、今回は指の状態を考えながら試行錯誤したと思われる痕跡がデータに残されていた。

 大谷にとって右手中指のマメは弁慶の泣き所だ。マメができやすい体質で日本ハム新人の13年から5年間で少なくとも3度、降板の要因になっている。記憶に新しいのが16年。7月10日ロッテ戦(札幌D)で同箇所のマメをつぶして途中降板。先発投手復帰は約2か月後の9月7日ロッテ戦(札幌D)だった。

 マメ自体は1、2週間あれば治る。問題は副作用だ。その16年は、2週間後の24日オリックス戦(札幌D)で中継ぎで復帰したが、投球フォームを崩した。160キロの剛速球を投げるだけに、バランスを崩せば故障のリスクは高まる。当時はそれが約2か月間の長期離脱につながった。

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