「大谷シフト」の背景、データで分かること…ゴロ打球がグラウンド右半分に集中

スポーツ報知
データは「Baseball Savant」より取得。独自にプロットしたもの

◆エンゼルス2―8レッドソックス(19日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が19日(日本時間20日)、本拠地のレッドソックス戦で「6番・指名打者」でスタメン出場したが、4打数無安打3三振。第1打席は安打性の当たりだったが、“大谷シフト”に阻まれ遊ゴロに終わった。

 なぜ早くも極端な“大谷シフト”を敷けるのか? MLBが「Statcast」データを公開しているサイト「Baseball Savant」で答えの一端が見つかった。

 大谷のメジャー公式戦全打席データをダウンロードし、統計ソフト「R」の「baseballr」パッケージで処理。打球がゴロとなったものをイラストで表示させた。すると13あったゴロ打球のうち11がグラウンドの中心から右半分に偏っていたことが分かった。

 内野手は外野に飛ぶヒット性のライナーやフライ打球には対応できない。そこでゴロに的を絞り、多く打球が飛ぶ方向の守備を厚くして、外野に抜けないようにする。これが内野の守備シフトの考え方だ。

 対戦相手のレッドソックスは、右半分へのゴロ打球が多い大谷に対して思い切って三遊間を薄くし、二塁ベース後方付近に遊撃手を守らせた。そして一二塁間の守備を手厚くしてきた。すると第1打席では、安打性の当たりが内野ゴロとなった。

 今後、大谷の打席が増えて分析対象となるデータが増えていけば、また現在と変わったシフトが見られるかもしれない。これも日本のプロ野球と違ったメジャー観戦の楽しみの一つだ。

 大谷は試合後に守備シフトに阻まれ遊ゴロに終わった第1打席については「普通ならヒット。僕の傾向を見てるんだと思う。今まで通りやりたい」と話していた。

野球

×