大谷翔平4勝目…敵将も脱帽「まるでバーランダー」

スポーツ報知

◆エンゼルス5―2レイズ(20日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)は20日(日本時間21日)、本拠地のレイズ戦で先発登板し、メジャー移籍後最長の7回2/3で最多110球を投げ6安打2失点、9三振を奪い4勝目(1敗)を挙げた。チームの連敗を5で止める快投で、敵軍からも「まるでバーランダー」とメジャー屈指の投手になぞらえ絶賛を受けた。また、カブスのダルビッシュ有投手(31)は敵地でのレッズ戦で6回1失点。今季8度目の先発登板で初白星をマークし、日米通算150勝を達成した。

 高く、強く。大谷は右拳を突き上げ、勝ちどきを上げた。メジャー最長7回2/3で6安打2失点に抑えて4勝目。マウンド付近にできた歓喜の輪にベンチから一目散に加わった。

 「連敗中に勝てたのはすごく大きい。長い回を投げて勝ちに結びついたのは良かった。調子は良くなかったけど、その中で悪いなりにゲームを作れた」

 最多110球の熱投も、勝ち星が心地よい疲労感に変えてくれた。

 気迫の投球だった。3回先頭、同じ新人のフィールドにソロを浴びた。4月17日のRソックス戦以来となる先制を許したが、続く1番のスパンから12者連続アウト。1点を追う4回2死でダフィーを158キロの剛速球で空振り三振に斬り捨てると、何度もグラブをたたいて自らを鼓舞した。

 「逆転するまでは耐える投球が必要でしたし、その後は勝つために全力で攻めた。こちら(米国)は球数けっこう気にするが、個人的には特に球数は気にしない。ゲーム中に『あと何人かな』ということも考えない。1人1人を抑えたいと思っていっている」

 メジャーで降板の目安になる100球に近づいた7回1死一、二塁も、ブルペンでは誰も準備していない。日本ハム時代と同じように中6日登板とはいえ、2試合連続100球超え。登板過多の救援陣を救う姿は、もうエースと言っていい。

 敵将から絶賛された。レ軍のケビン・キャッシュ監督(40)は2試合連続でロモを投入するなど奇襲を仕掛けたが、肝心の攻撃陣が攻略できず。「オオタニには脱帽だ。98マイルの直球に90、91マイルの低めの球を織り交ぜるのは、まるでアストロズのバーランダーのようだ。特別な投手。打席から戻った選手の印象を聞く限り、厳しい打席だった」と11年サイ・ヤング賞右腕の名前を出して絶賛。16日に打者として対決し、4打席で3三振を喫している大谷は「根本的にレベルが違う」と話したが、周囲の目はメジャーを代表する投手に変わりつつある。

 今季最悪5連敗中だったチームの悪い流れを止めた。大谷の登板試合は7試合で6勝1敗。勝率8割5分7厘だ。「結果的に勝てばOKかなと。直接勝ちに結びつかなくても勝てるチャンスを作るのも仕事。そこはすごく大事」と力を込めた。

 今後の敵地・ブルージェイズ3連戦は指名打者として準備する。次回登板は順調なら27日の敵地・ヤンキース戦。田中将大と投げ合う可能性がある。「1日1日先を見ずにやっていければ」という負けないエースが、いよいよ注目の日本人対決に挑む。(小谷 真弥)

 ◆球団最速7戦50K 大谷はこの日、9三振を奪い今季通算52奪三振。デビューから7戦目で通算50奪三振に到達したのは球団最速記録。デビュー7戦目で50奪三振以上を記録したのは、日本人では田中将大(58奪三振)、野茂英雄(55奪三振)、ダルビッシュ有(51奪三振)に続く4人目だ。

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