韋駄天大谷、好走塁で中前二塁打に

スポーツ報知
9回の大谷の二塁打

◆ブルージェイズ1―8エンゼルス(23日・トロント)

 【トロント(カナダ)=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(23)は24日(日本時間25日)、敵地のブルージェイズ戦で「5番・指名打者」で3試合連続先発出場し、3打数2安打2四球。1試合4出塁を記録した。9回2死では中前への打球を二塁打とする好走塁を披露。韋駄天(いだてん)ぶりでブ軍ナインを驚かせた。

 ピッチャー返しを二塁打にする―。大谷が「ファミスタ」の最速男・ピノのような異次元走塁を見せた。9回2死。強烈な打球は右腕・マグワイアのグラブを強襲。二遊間への打球方向がわずかに変わって、中堅の名手・ピラーの処理が遅れた。一度は一塁ベース前で走力を弱めたが、外野の動きを見て再加速。タッチをかいくぐるように二塁へ滑り込んだ。

 際どいタイミングで最初はアウトだったが、2分12秒のビデオ判定の末にセーフ。「しっかりタッチをかわして、スライディングした。セーフかなと思った」。3回の左中間二塁打と合わせ、移籍後初の“マルチ二塁打”を記録。足でつかんだダメ押しの8点目に、ブルージェイズのナインは衝撃を受けた。

 ピラー中堅手「速さに驚いた。スピードがなければ走れない。三塁コーチと話したら『ルーチンができて慣れたら盗塁でも能力を発揮させる』と」

 マイル捕手「ああいう試合の勘がある選手を目にするのは最高。普通なら二塁打にならない。スピードがある上に全力疾走する。いいプレーだった」

 マグワイア投手「僕のグラブをはじいた打球をよく読み、ハッスルプレーで二塁まで…。本当にすごいことだ」

 しかし韋駄天は、走塁にも課題を挙げる。8回無死一、二塁。バルブエナの右翼へのライナー性の打球は、安打かフライか微妙な打球。落ちた瞬間に二塁から走ったが、三塁アウトとなった。「日本時代よりチームメートの打球も速い。打球が速いことで判断の時間も短い。そこは難しくなってくる。対応できるように準備できれば」と反省した。

 25日から敵地・ヤンキース3連戦では指名打者として臨む。初見参のNYで圧倒的な能力を発揮すれば…。“大谷フィーバー”は、いよいよ最高潮に達する。

 ◆出塁率+長打率=.991

 大谷は2二塁打と2四球を記録し、出塁率と長打率を足した「OPS」を9割9分1厘とした。OPSは打者を評価する指標で、9割台で優秀な打者、10割以上になれば屈指の強打者とみなされる。大リーグ公式サイトによるとア・リーグのトップはRソックスのベッツで11割8分8厘。大谷の同僚トラウトが10割7分1厘、オリオールズのマチャドが10割4分3厘で、大谷は4位。規定打席に届いていないが、6位のヤンキース・ジャッジの9割8分を上回っている。

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