エンゼルス・大谷翔平、最悪手術も 右肘靱帯損傷で故障者リスト入り

スポーツ報知

 【ミネアポリス(米ミネソタ州)=一村順子】エンゼルスの大谷翔平投手(23)が8日(日本時間9日)、右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷で、メジャー移籍後初の故障者リスト(DL)入りしたと球団が発表。6日のロイヤルズ戦の後に右肘の違和感を訴え、7日にロサンゼルスで組織の修復や回復を図る多血小板血漿(しょう)=PRP=治療と幹細胞注射を受けた。3週間ノースローの予定で、再検査後に今後の方針を決める。PRP治療で効果が表れなかった場合は、手術をする可能性もある。

 メジャーに衝撃が走った。二刀流で前半戦の話題を一身にさらっていた大谷にショッキングな事実が判明した。右肘内側側副靭帯の損傷のため、開幕後約2か月で初めて戦列を離れることになった。

 球団は、7日にロサンゼルスでPRP治療と幹細胞注射を受けたと発表した。負傷の程度は、3段階の真ん中となるグレード2(靱帯が部分断裂するなどしていても機能している状態)。球団公式サイトによると、昨年10月にもこの治療を受けており、当時のグレードは1(違和感がある状態)だったと紹介し、症状は悪化したことになる。

 昨年の治療を大谷の代理人は「予防的な措置」と説明し、身体検査をパスして入団に至った。電話会見に応じたエプラーGMは「それ(去年のPRP治療)が、いい方向に向かう助けになった」と効果を認めた上で「今回も医師が治療可能であると診断しているし、この治療で回復できると希望的に捉えている」と現時点では復帰まで1年以上もかかるトミー・ジョン手術を回避する方向と語った。

 6日のロイヤルズ戦を4回で降板した大谷。球団は中指のまめの影響だったとしていたが、同GMは「登板後にまめの(中の)液体を抜いて、その後にアドレナリンが収まったら(大谷が)肘が張ってきた」と言っていたという。

 まずは、3週間のノースロー調整を経て再検査を行うが「PRP注射」は14年にヤンキースの田中が受け投球練習再開まで1か月以上かかっており、前半戦の投手復帰は絶望的。DHでファン投票にノミネートされているオールスター戦(7月17日、ワシントン)出場も厳しくなった。同GMは打者限定の出場にも「そのような(打者だけで)起用はしたくない」と否定的だった。

 ベーブ・ルース以来100年ぶりの本格的二刀流として大活躍する右腕。投手で4勝1敗、防御率は3・10、打者でも34試合で打率2割8分9厘、6本塁打、20打点をマーク。チームの上位進出の立役者だっただけに、遠征先でソーシア監督は「彼は、我々にとって、マウンドと打席の両方で特別で大きな存在。がっかりはしているけれど、日程は待ってくれないし、戦っていくしかない」と話すしかなかった。

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