右肘靱帯損傷のエンゼルス・大谷 フォーム改造で復活の道を見たい…担当記者の目

スポーツ報知

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が8日(日本時間9日)、右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷で、メジャー移籍後初の故障者リスト(DL)入りしたと球団が発表。6日のロイヤルズ戦の後に右肘の違和感を訴え、7日にロサンゼルスで組織の修復や回復を図る多血小板血漿(しょう)=PRP=治療と幹細胞注射を受けた。3週間ノースローの予定で、再検査後に今後の方針を決める。PRP治療で効果が表れなかった場合は、手術をする可能性もある。

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 昨オフに患部の治癒を促進するPRP注射を右肘に受けていたとはいえ、あくまで予防的な措置。大谷が肘の故障で離脱するのは初めてだ。恩師の栗山監督の言う「野球の神様」なら、大谷に何を求めているのだろう。同じPRP治療を受けて復活した先人たちから探った。

 14年にヤンキース・田中、同年オフには巨人・山口鉄が受けている。治療後、両投手とも肘の負担のかからない新投法を模索。治療から数か月後、山口はこんなことを明かしている。

 「足を意識した投げ方。股関節で投げるイメージですね。肘を痛めて良かったわけではないけど、下半身を使って投げる意識が強くなった。上半身に頼らず、下半身を使って投げることが大切」。現役29年間で224勝を挙げた工藤公康(現ソフトバンク監督)のフォームを参考に全身を使った投法づくりに着手。15年は60試合、16年は63試合と9年連続60試合登板を達成した。

 シーズン途中で投球フォームを改造し、再び投打で軌道に乗せることは容易ではない。それでも、どんな結果でも常にポジティブな姿勢を崩さなかった大谷だ。長い二刀流生活を見据え、再び不可能を可能とする姿を見てみたい。(メジャー担当・小谷 真弥)

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