【DeNA】尚成、引退「気持ちが動かない…」10・2巨人戦引退試合

2015年9月14日6時0分  スポーツ報知

 DeNAの高橋尚成投手(40)が現役引退することが13日、分かった。スポーツ報知の独占取材に応え「体は無理してもできると思う。でも、気持ちの方がついてこなくなった」とユニホームを脱ぐ決断を語った。近日中に引退会見を行う。巨人でエースとして活躍し、海を渡って大リーグで2ケタ勝利もマークした男が、通算16年のプロ生活に幕を引く。

 尚成は落ち着いた声で切り出した。引き際の決断―。その目に涙はなかった。

 「アメリカから戻ってきた去年から、引退はずっと考えてきた。ここにきて、気持ちの方が動かなくなった。体は無理をしてもできると思う。でも、気持ちの方がついてこなくなった。モチベーションが上がってこなくなった」

 大リーグから5年ぶりに日本球界に復帰した昨年から、常に引退の2文字が心にあった。DeNA1年目となった昨年は10試合に登板し、1勝もできず。今年は4月29日の広島戦(マツダ)で先発したものの、負け投手となり翌日に登録抹消。8月8日の阪神戦(横浜)で再登録された時には、中継ぎとして復帰した。

 「自分から球宴休みの時に球団に話をした。メジャーで4年間、中継ぎをやってきたし、先発にこだわりはない。チームのためになるのであれば、中継ぎをやらせてもらいたいと」

 だが、その登板の中で、気持ちの限界を感じる時を迎えた。8月14日の広島戦(マツダ)で1点ビハインドの6回、丸に3ランを浴びた。そして同16日には同カードで、4点ビハインドの8回に新井にソロを献上した。

 「2本とも、打たれた直後に悔しさを感じられなかった。その時『やめる時ってこういうものなのかな』という思いが湧いた。特に新井に打たれた時、マウンドで『これでダメだな』という感情がこみ上げてきた。納得して投げたストレートをいとも簡単に、しかも(駒大で同窓の)1つ年下に打たれたから。新井とは大学時代から仲が良かったし、そういうヤツに打たれて…なんていうんだろ…しょうがないな、と。心を決められた」

 悔いが残らないと言えばウソになる。日本球界復帰をDeNAに決めたのは、駒大の大先輩である中畑監督からの「お前が必要だ」という熱い言葉があったから。監督には12日、電話で引退を伝えた。

 「DeNAで1勝もできなかったことが、やっぱり一番悔いとして残る。中畑さんの力になりたかった」

 プロ16年、忘れられない試合は「ありすぎて分からない」。プロデビュー戦の00年4月6日の中日戦(ナゴヤD)は初先発初勝利。その年の日本シリーズ初登板、10月27日の敵地でのダイエー(現ソフトバンク)戦は2安打完封勝利。新人で初登板完封勝利は日本球界でただ一人の偉業で、巨人の日本一に貢献した。09年オフには、眠れないほど悩んでメジャー行きを決め、10年にメッツとマイナー契約。結果を残してメジャー開幕を果たした。4月7日、本拠でのマーリンズ戦に同点の延長10回に登板して、2安打1失点を喫し負け投手となった。

 「35歳で上がったメジャー初マウンドで、自分の野球人生で初めて足がガクガクしたのを覚えている。プロ選手として特に大きい体もなく、どうやって生きていこうかと思う中、体を酷使し、頭も使ってきた。それが形になったから、メジャーでもできたんだと思う」

 周囲からは「まだやれるのでは?」の声も上がる。そんな中、尚成の頭には尊敬する松井秀喜さんの姿が浮かんでいた。

 「やり切った、という思いはある。ただ、ヘロヘロな球で引退したくない。(12年で引退した)松井さんも、まだまだできると言われてた。ああいう形もあるんだな、と思ったし、かっこいいなと思った。僕も松井さんみたいに、と。そこまでかっこよくはないけど」

 近日中に会見を行い、引退を表明する。球団は、最終戦となる10月2日の本拠での巨人戦を引退試合として用意するつもりだ。40歳左腕が、自分流に「楽しんだ野球」を完結する。

 ◆高橋 尚成(たかはし・ひさのり)1975年4月2日、東京都生まれ。40歳。修徳高から駒大―東芝を経て、99年ドラフト1位で巨人入団。07年には最優秀防御率(2.75)を獲得した。09年オフにFA宣言し、10年2月にメッツとマイナー契約し、開幕メジャー。13年オフにDeNAと2年契約し、5年ぶりに日本球界へ復帰した。通算成績は260試合で79勝73敗15セーブ、防御率3.79。メジャー通算は168試合で14勝12敗10セーブ、防御率3.99。177センチ、80キロ。左投左打。既婚。年俸6000万円。

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