オリックス・平野、Dバックス入り…米129セーブの大魔神超えへ

スポーツ報知
ダイヤモンドバックス入りする平野

 米大リーグ移籍を目指しオリックスから海外FA権を行使した平野佳寿投手(33)が、ダイヤモンドバックス入りすることが22日、決まった。メジャー球団との交渉へ向け、家族とともに19日に渡米。2年総額600万ドル(約6億7800万円)で合意し、23日にもダ軍から正式発表される見通しとなった。今年3月のWBCで注目を集め、日本通算156セーブ。球界屈指のリリーバーが夢をかなえた。

 平野が選んだのは、ダークホースとも言える球団だった。米大リーグ挑戦を正式表明したのが11月7日。高評価を与える球団が増していくなかで、実は熱心にラブコールを送っていたのがDバックスだった。

 今月19日に家族を伴って米国へ出発。代理人を務めるジョン・ボッグス氏とサンフランシスコで合流し、メジャー球団との交渉を進めてきた。Rソックスなどがシーズン中から視察し、タイガーズ、カブス、レンジャーズやジャイアンツなど複数球団が関心。「ベストなパフォーマンスを出せるチームが見つかれば喜ばしいことだと思う」と心境を明かしていた。

 98年創設のDバックスは12年には斎藤隆がチーム初の日本人選手として在籍。関係者によれば、平野本人もダ軍のオファーが最も心に響いたという。開閉式屋根が特徴的な本拠地のチェイス・フィールドや球団施設を訪問するだけでなく「僕にとって家族は本当に大事なので」と住環境もチェック。年俸3億円だった今季に近い条件で合意し、近日中に帰国する予定だ。

 10年からリリーフ転向し、最優秀中継ぎ、セーブ王のタイトルを獲得。16年にプロ野球史上3人目の100ホールド100セーブも達成した。100セーブ以上を記録した投手では6人目のメジャー挑戦。その中では、佐々木主浩(マリナーズ)が4年間で通算129セーブと好成績を残した。150キロの快速球と宝刀フォークが武器の平野も大魔神のような活躍が期待される。

 転機は3月のWBC。日本人投手が苦しむとされるメジャー球に適応し、初戦のキューバ戦で2失点しただけで、その後の5試合は計1安打のみ。初の国際舞台で見事な投球を披露し、さらに米球界の注目を高めていた。今オフの自主トレもメジャー球で練習を継続。来たるべき日に備え、努力を重ねていた。「最後のチャンス」と決意し、夢をかなえた33歳が新たなスタートを切る。

 ◆Dバックス救援事情 今季の6年ぶりポストシーズン出場は、投手陣の奮闘が大きかった。先発5本柱がそろった上に39セーブを挙げた右腕ロドニーを始め、10ホールド以上も5人と層が厚かった。しかし、オフにロドニーがツインズにFA移籍したことで、現状では63試合に登板し防御率1.73、チーム最多の25ホールドのブラッドリーが抑え候補の筆頭。次いで2015年に41セーブを挙げたものの、2年連続セーブ0のボックスバーガーが続く。絶対的なクローザー不足だけに、平野が一気に名乗りを上げる可能性も十分だ。

 ◆平野 佳寿(ひらの・よしひさ)1984年3月8日、京都府生まれ。33歳。鳥羽高から京産大を経て2005年大学・社会人ドラフト希望枠でオリックス入団。1年目に先発で4完封含む7勝。10年から救援へ転向し、11年に最優秀中継ぎ投手、14年は最多セーブ投手。今年3月、追加招集でWBCに初出場し好投を見せた。186センチ、84キロ。右投右打。今季年俸3億円。

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