【中日】ドラ5伊藤康、天国の星野さんへ恩返し 小学校時代にキャッチボール&米国観光

スポーツ報知
楽天・星野監督と記念撮影したボーイズ・リーグ日本代表時代の伊藤康(手前)

 中日の新人合同自主トレが7日、ナゴヤ球場で始まり、ドラフト5位の伊藤康祐外野手(17)が天国の星野仙一さんへの恩返しを誓った。

 小学5年だった2010年、2歳上の兄・寛士(現法大)が、ボーイズ・リーグの日本代表として米国で開催された「カル・リプケン12歳以下世界大会」に出場。両親と同行した伊藤康は、滞在先のホテルの前でグラブとボールを手に遊んでいた。すると、歩み寄ってきた男性に「キャッチボールをやるか」と声をかけられた。同代表チームを支援していた星野さんだった。「いい球がいってるな」と褒められ、「体のこっち(左)に行くボールはよくないよ」と助言もしてくれた。その後も一緒に観光。かわいがってもらった思い出が、いっそう野球にのめり込ませてくれた。

 2年後、今度は伊藤康自身が同代表に選出。楽天監督に就いていた星野さんに、オリックス戦前の京セラDに招待された。集合写真と、星野さんの座右の銘「夢」と書かれたサインボールは、愛知・蒲郡市の実家で大切に保管している。

 その再会時は、キャッチボールの感謝を伝えられなかった。3度目の対面を楽しみにしていた。きっと星野さんもプロ入りを喜んでくれたはず…。「お会いしたかった」と悔しがった。

 同じ中日に入団したのも奇縁。この日のナゴヤ球場は半旗が掲げられた。練習前には新人8選手とスタッフが、一塁ベンチ前で黙とう。「燃える男」と呼ばれた星野さんを目標に、伊藤康は「『熱い男』で!」と自ら宣言した。「プロとして頑張っていきますと伝えたい」と、星野魂を体現していく。(嶋田 直人)

 ◆伊藤 康祐(いとう こうすけ)

 ★生まれとサイズ 2000年2月3日生まれ、愛知県蒲郡市出身。174センチ、75キロ。右投右打。年俸550万円。

 ★球歴 形原小1年で軟式野球を始める。4年から形原中まで「岡崎葵ボーイズ」に所属して投手、遊撃手。中京大中京では3年夏の甲子園に出場。1回戦で広陵(広島)に敗れたが、1番・中堅で本塁打を含む3安打を放った。高校日本代表にも選ばれた。

 ★兄も高校ジャパン 兄・寛士さんも中京大中京高時代にU―18W杯の日本代表。現在は法大で捕手。

 ★竜の「熱男」 ソフトバンク・松田の大ファン。高校時代はグラブに「熱男」と刺しゅうを入れていた。

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