【日本ハム】清宮“強制”別メニューで「がに股」矯正する キャンプインも右手親指完治を優先

スポーツ報知
アリゾナで行われるキャンプ地の球場に向かう清宮(カメラ・泉 貫太)

 【スコッツデール(米アリゾナ州)30日=ペン・小島和之、カメラ・泉貫太】日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実=が、1日(日本時間2日)のキャンプ初日から一部別メニューとなることが、濃厚になった。1月中旬に痛めた右手親指の回復が遅れ、合同自主トレ2日目のこの日は打撃練習を回避。栗山監督の方針で、まずは万全の状態に戻すことに専念する。バットが振れない期間は「がに股」の矯正に着手。黄金ルーキーには一日も無駄な時間はない。

 現地時間午前8時58分。グラウンドに現れた清宮の手に、前日まで持参していたバットはなかった。打撃メニューは全てスルー。全体練習終了後、清宮は「大事を取って。無理をしたくないので」と話した。

 栗山監督がこの日の朝、清宮とトレーナーと話し合い決断した。「無理をするというか、どこか(状態が)おかしくてはやる意味がない。俺の方で指示した」と完治を優先させることになった。現段階でマシン打撃も再開しておらず、打撃面では別メニュースタートとなる可能性が高まった。現在も患部に緩衝材を巻くなど、キャンプインに不安を残していた清宮。谷ヘッドトレーナーは「患部に問題があるということではない。(状態の)上がり具合が少し停滞していたので、少し休ませようという判断」と説明した。

 それでも、怪物はただでは転ばない。バットが振れない分は走塁改革を行う。この日はトレーナー指導の下、足の上げ方など理想的な走法を意識して短距離ダッシュを繰り返した。清宮には全力で走る際、がに股になる癖があるという。「格好良く走りたいので。ずっと直したいと思っていたんです」と苦笑いした。

 がに股走法は、直進する際に力の方向がばらつくため力のロスが多いことや、けがにつながる可能性などのマイナス点がある。空いた時間を走塁の技術矯正に充てることも可能だ。栗山監督も「いま何をしなきゃいけないかというのが大事。やらなきゃいけないことがある」と、今後につながるリハビリ期間の過ごし方を求めている。清宮は「いまはすごくいい期間だと思うので、こういう日を大事にしてやれれば」と気を引き締めていた。

 アピールポイントの打撃が制限される状況に「もどかしい? もちろん。打ちたいです」と悔しさをあらわにしたが、開幕1軍を目指して競争を勝ち抜くためにも、まずは完治が先決。いまは我慢の時だ。

 ◆日本ハム・清宮の経過

 ▽1月8日 千葉・鎌ケ谷市の球団寮「勇翔寮」に入寮。

 ▽9日 新人合同自主トレスタート。ロングティーで120メートル弾。

 ▽17日 春季キャンプ1軍スタートが決定。

 ▽18日 JRA競馬学校の生徒との交流会に参加。練習用の木馬にまたがり“乗馬”体験。

 ▽19日 右手親指付け根(母指基節骨=きせつこつ)の骨挫傷でキャッチボールと打撃練習を回避。

 ▽22日 4日ぶりにキャッチボール再開。

 ▽25日 都内の病院で再検査を受け、予定通り1軍キャンプ参加に。

 ▽26日 8日ぶりにスイング再開。

 ▽27日 ゴム製の緩衝材を右手親指につけ、9日ぶりに打撃練習再開。

 ▽28日 新人合同自主トレを打ち上げ、米アリゾナに出発。

 ▽29日(現地時間) 合同自主トレ初日、中田と一塁で内野ノックを受ける。フリー打撃は回避。

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