【中日】松坂、打撃でも“先生”ランチ特打で2本の柵越え

スポーツ報知
森監督(左)の前でフリー打撃を行う松坂

 中日にテスト入団した松坂大輔投手(37)=ソフトバンク=が3日、沖縄・北谷キャンプで2本の柵越えを披露した。サプライズでランチ特打に登場し、53スイングで安打性の当たりが17本、“打率3割2分1厘”の猛打ぶり。貧打にあえぐ竜投手陣の「打の救世主」として、さらには“打撃の先生”としての期待も高まった。

 中日キャンプでは異例の5000人が詰めかけた。昨年のキャンプ最初の土曜(4日)は2500人で、一気に倍増。その大観衆が慌ててネット裏へと大移動した。お目当ての背番号99がティー打撃を始めたのだ。練習メニューになかったランチ特打に松坂が登場。最初は軽打だったが、「いけばいいな」とギアをトップに入れた32スイング目の打球が、推定110メートルのアーチを描いて左中間の芝生席に着弾した。両手を挙げて歓声に応えると、34スイング目も左中間弾で、派手なガッツポーズを突き上げた。

 球場入りした直後に、森監督から「ランチ特打だ」と告げられ、「本気かどうか分からなかった」と半信半疑だった松坂。「あまりに『(打撃が)いい』と言われてプレッシャーだった。その意味で(スタンドに)入って良かった」。1月23日の入団テストで、指揮官に「打撃を評価して獲った」と言われた重圧を“一発”ではねのけた。終了後は「外での打撃、気持ちいい!」と、洗面台で頭をジャブジャブ洗って笑った。

 「ルイスみたい!」。感嘆の声を上げたのは、打撃投手を務めた朝倉投手コーチだ。ルイスは2008、09年に広島で計26勝を挙げ、打撃でも計5本塁打。メジャーでも通算2割5分9厘の高打率を残した。朝倉コーチは現役時代の09年に、マツダでルイスに推定150メートルの特大場外弾も浴びたシーンを、松坂にだぶらせた。

 同時に“松坂先生”に期待した。「スイングスピードが全然違う。だから(他の投手は)打てないんでしょう」。松坂を手本とすることで、昨季リーグ最下位の打率6分2厘に終わった竜投のバットに奮起を促した。隣のケージで競演させられた大野雄は昨季は40打数無安打で、この日も柵越えゼロ。「教えていただければ」と、早速“竜投の打撃コーチ”に弟子入りを申し出た。

 本職ではキャッチボールも行わないノースロー調整だった松坂。午後には15分限定と告知して即席サイン会を開いたが、最終的に30分間、約100人にペンを走らせた。投で復活に挑み、打とファンサービスでも竜を変革する。(田中 昌宏)

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