【楽天】機動力で一挙9点 助っ人依存脱却へ会心の8回逆転劇

スポーツ報知
8回1死一塁の場面で、二盗したオコエ(左は広島・上本)

◆オープン戦 広島5―11楽天(24日・沖縄)

 楽天は24日、今季初のオープン戦となる広島戦(沖縄)で11―5と快勝した。3点を追う8回、4安打4四球に3盗塁と、今季の課題として取り組んできた機動力も生かして一挙9点。試合を通しての4盗塁に加え、敵失に乗じて先の塁を奪うなど、走塁への意識改革の成果が見えた。打線の助っ人依存から脱却するためにも、多くの得点パターンをものにしていく。

 会心の逆転劇だった。梨田昌孝監督(64)は「盗塁が4つ。いいスタートを切れていた。島井も初球だったしね」。わずか6安打で11得点。7四球に敵失も3つあったが、オコエの2盗塁など、効果的な走塁で相手を揺さぶり続けた。助っ人勢の一発頼みだった昨季とは違う、攻撃パターンを初戦から見せつけた。

 足で崩した。3点を追う8回、先頭の田中が四球で歩くと、すかさず二盗に成功。これでプレッシャーをかけると、さらに連続四球で無死満塁。ウィーラーの二ゴロで1点を返し、なおも1死一、三塁から、同点のランナーとなる一塁走者に代走・島井が起用された。島井は初球に二盗を決め、内田の中前2点打で生還。「ベンチから見ていて、(二盗は)いけると思っていた。理想の形になった」と胸を張った。

 これで流れを奪うと、代わった広島・オスカルからの3連打などで勝ち越しに成功。1死一、三塁で再び田中に打席が回ってきた。打球は投ゴロとなったが、オスカルが二塁へ悪送球。一塁走者が一気に三塁を狙う間に、打った田中も二塁を陥れた。直後の敵失で2点を追加し、出塁したオコエはその後、6回に続く2つ目の盗塁を決めた。平石洋介ヘッドコーチ(37)は「やってきたことが出せているし、勇気を持ってやってくれている。田中が悪送球で一気に二塁へ行った、ああいうところが大きい」と手応えを口にした。

 昨季はチームで42盗塁と、トップだった西武(129盗塁)の3分の1以下。昨季イースタン・リーグ盗塁王の島井を筆頭に、田中、オコエら走れる選手が、開幕1軍へアピールを続けている。「今日はよかったけど、継続していかないと」と話した梨田監督。機動力という新たな武器を、開幕へ向けて磨き上げていく。(山口 泰史)

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