【阪神】掛布SEA、横田にG吉村のような復活劇願う…昨年8月脳腫瘍が寛解

スポーツ報知
安芸でランチ特打を行った横田

 脳腫瘍からの復活を目指し、高知・安芸キャンプに参加中の阪神・横田慎太郎外野手(22)が24日、恩師の掛布雅之シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA、62)と坂井信也オーナー(70)がゲージ裏で見守る中、ランチ特打を行った。向かい風の中、86スイングでサク越えは1本。掛布氏は巨人・吉村禎章(現巨人1軍打撃総合コーチ)のような球史に残る復活劇を願った。

 背番号124は今キャンプ3度目の屋外フリーで元気な姿をアピールした。「あきらめてはダメ。絶対に自分に負けないようにしたい。掛布さんに教わったことを思い出しながら振りました」。昨年の沖縄・宜野座キャンプ中に離脱してから約1年。育成契約から再出発した5年目はまだ全体練習に合流していないが、着実に階段を上っている。

 昨年8月下旬に症状が消えて安定した状態になる「寛解」と診断され、同9月に球団寮に戻った。前2軍監督の掛布氏が打撃練習を見るのは復帰後初めて。入団時から素質にほれ込んで指導してきただけに「うれしかった。病院で寝ている姿も見ていただけに」と感慨深げだった。

 掛布氏は「これからやる野球は球団にとっても大きな意味がある。巨人の吉村だって、あそこまで大きなけがをして復活した。あの時の東京ドームの声援はすごかったし、チームを勇気づける。脳腫瘍から復活した選手もいる」と力説。巨人が日本一に輝いた「89年の吉村」を例に挙げ、愛弟子の支配下登録復帰を願った。(島尾 浩一郎)

 ◆吉村の復活劇 30本塁打を放った翌シーズンの88年、7月6日に行われた中日戦(札幌円山)の8回、左翼で飛球を捕球した際に中堅手と激突。左膝じん帯断裂の重傷を負った。米国でフランク・ジョーブ博士の手術を受け、過酷なリハビリに耐えて89年9月2日のヤクルト戦に代打で復帰。90年にはリーグ優勝を決めるサヨナラ本塁打を放つなどカムバック賞を受賞。98年までプレーした。

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