【日本ハム】清宮“怪物の片りん”初球フルスイング三振デビュー

スポーツ報知
9回1死、代打で登場した清宮は空振り三振に倒れた(捕手は大野奨=カメラ・小梶 亮一)

◆オープン戦 中日4―6日本ハム(24日・北谷)

 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実=が24日、中日戦(北谷)でオープン戦に初出場。9回に代打で登場し、プロ初打席は空振り三振の打者デビューとなった。1月に右手親指を痛めた影響で、ようやく迎えた初打席でも初球から豪快なスイングを披露。試合前練習のフリー打撃では右翼場外への130メートル弾も放って大器の片りんを見せた。起用を決断した栗山監督も「バットを持った雰囲気がすごくいい」と評価する内容だった。

 驚きと期待が入り交じった歓声が上がった。「バッター、清宮」。9回1死。場内アナウンスに呼応するように大きくなる声援の先に、清宮がいた。「やっと来た」という待望のプロ初打席。DHの中田に代わり、怪物はゆっくりと打席に歩を進めた。

 試合前に栗山監督から打者での出場を聞いた。7回には、9回での代打起用を伝えられた。イニング間にはベンチ前で素振りをして体を温めた。そして打席に立つ前には、心は決まっていた。

 「初めての打席だし、当てにいってヒットよりも、ちゃんと自分のスイングをしたかった」

 丸山の初球、内角直球を狙い、ファウルとなったが言葉通りのフルスイング。最後はカウント2―2から6球目のフォークに空振り三振を喫した。「もうちょっと落ち着ければなと思った」。悔しそうに反省を口にしたが、自分に課したテーマは貫き「その点は悪くなかった」と振り返った。

 サプライズ起用に見えた代打出場は、栗山監督が描いていたプランの一つだった。清宮は22日に急性胃腸炎で練習を早退し、前日23日も1軍本隊とは別メニュー調整。「きょうは使うとずっと言っていた」と前日から当日の朝にかけて、入念に清宮の体調を確認。気温条件など体調に負担がかかる環境なら初打席を延期する案も用意していた。

 怪物の門出に天も味方し、日差しが差し込む暖かな陽気。さらに清宮は試合前のフリー打撃で、22スイングで5本のサク越えを放ち、うち1本は右翼場外の中日投手陣が練習する陸上競技場に届く130メートル弾を決めていた。指揮官は「バットを持った雰囲気はすごくいい」と評価。25日のヤクルト戦(浦添)には「使いたいけど状況次第。下(グラウンド)が悪かったらやめるかも」と慎重な姿勢を見せつつ、スタメン起用の可能性も示唆した。

 ようやく開幕1軍へ向けたスタート地点に立った清宮。「結果が出なくても割り切りながら、結果が出るように心のバランスをしっかり取りながらやりたい」。高く、美しい放物線を描く日は、きっと遠くはない。(小島 和之)

 ◆清宮のこれまで
 ▽1月18日 ダンベルを使ったトレーニング中に右手親指を負傷。
 ▽19日 キャッチボールと打撃練習を回避。都内の病院で、右手親指付け根の骨挫傷と診断される。
 ▽27日 ゴム製の緩衝材を右手親指につけ、9日ぶりに打撃練習を再開。
 ▽28日 米アリゾナに出発。
 ▽2月10日(現地時間) 打撃練習再開。素振りとティー打撃。
 ▽16日 米アリゾナから沖縄・名護入り。
 ▽17日 けが後初めて、正面近くから軽い上手投げの球を打つティー打撃。
 ▽21日 初の屋外フリー打撃。57スイングで場外弾5本を含むサク越え14本を放つ。
 ▽22日 2日連続のフリー打撃を行ったが、体調不良で練習を早退。急性胃腸炎と診断される。
 ▽23日 チームには帯同せず、室内練習場でティー打撃などを行い驚異の回復を見せる。

野球

×