【中日】338日ぶり実戦復帰の松坂…朝、目覚めてベッドの中で行う“儀式”とは

スポーツ報知
ハンファとの練習試合に登板、マウンドへ向かう松坂(カメラ・小梶 亮一)

◆練習試合 中日9―3ハンファ=特別ルール=(26日・北谷)

 中日にテスト入団した松坂大輔投手(37)=ソフトバンク=が26日、韓国・ハンファとの練習試合(北谷)で快投デビューを果たした。移籍後初の実戦マウンドは1イニングを2奪三振で3者凡退。昨季まで悩まされた右肩の痛みを感じさせず、次戦は3月4日の楽天とのオープン戦(ナゴヤD)で登板する可能性も浮上。“平成の怪物”復活への一歩を踏み出した。

 松坂の名がコールされると、約2000人の観衆が大きく沸いた。ソフトバンク時代の昨年3月25日、広島とのオープン戦(ヤフオクD)以来、338日ぶりの実戦マウンド。3回、先頭打者を追い込んで4球目。最も得意なスライダーが外角低めに逃げ、いきなり空振り三振。「(この日の出来なら)どんなカウントでもストライクが取れたんじゃないですか」と胸を張った。

 2人目もこの日最速タイの143キロで、見逃し三振を奪うなど1イニング11球の3人斬り。森監督は「投げた、というだけで本人は納得しているのでは」と冷静だったが、ネット裏の他球団スコアラーは警戒。「スライダーはコースも決まって変化量も多く、バットに当たらない。軸になる球になるのでは」(巨人・中里スコアラー)と要注意の視線を送り続けた。

 一方で「この時期、普通に試合で投げられて良かった」という安心感も、松坂の偽らざる思いだ。21日にフリー打撃に登板してから、ブルペンで1球も捕手を座らせて投球しなかった。これまでは球数を投げてフォーム固めするタイプだった。昨年2月のキャンプ中も239球を投げたことがあるが、今キャンプは99球が最高。15年8月に手術した右肩の最適な調整方法を模索している。

 朝、目覚めてベッドの中で行う“儀式”がある。ゆっくり慎重に右腕で掛け布団をめくる行為だ。「肩の状態を確認しています。パッとどかせても問題ないんですが、もう癖です。多分(現役を)辞めるまで続けるでしょう」。痛みが再発していたら…。毎朝、そんな恐怖との闘いだ。

 志願して実現した初登板で復肩をアピールし、次は3月4日、楽天とのオープン戦(ナゴヤD)が浮上している。名古屋のファンにお披露目となるマウンドで再び快投となれば、16年10月2日以来の公式戦マウンドがいよいよ現実味を帯びてくる。(田中 昌宏)

 ◆松坂の経過

 ▽15年8月18日 関東地方の病院で右肩を手術。

 ▽16年3月3日 韓国・斗山との練習試合で先発。288日ぶり登板で2回完全。

 ▽同10月2日 楽天戦で国内復帰後初、06年10月以来10年ぶり1軍登板。8回からの1イニングを3安打4四死球で5失点。

 ▽17年3月25日 広島とのオープン戦で7回無安打無失点。

 ▽同4月12日 15日のオリックス戦に先発予定も、体調不良で登 板回避決定。

 ▽同11月5日 ソフトバンクから支配下登録を外れ、コーチをしながら復帰を目指す案を提示されたが、現役一本にこだわり退団。

 ▽同12月21日 中日が翌年1月下旬に入団テストを行うと表明。

 ▽18年1月23日 森監督立ち会いのもと、ナゴヤ球場屋内で入団テスト。即日合格。

 ▽同2月2日 沖縄・北谷キャンプ2日目でブルペン入り。

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