【中日】“だまし絵”助っ人アルモンテ、ゲレの穴埋める「1号はうれしいね」

スポーツ報知
7回1死、アルモンテは左越えに来日1号となるソロを放つ(カメラ・小梶 亮一)

◆オープン戦 中日2―0西武(13日・小牧)

 “竜のだまし絵”こと新助っ人のアルモンテが、待望の来日1号を放った。1点リードの7回1死。変則右腕・平井のチェンジアップを逆らわずミート。打球は「92メートル」と表示された左翼ポールをかすめるように、芝生席へ飛び込んだ。「オープン戦でも1号はうれしいね」。4回にも左犠飛で先制点を叩き出し、チーム全打点。前日まで打率2割1分7厘、1打点と湿っていたバットに火がついた。

 スキンヘッドに長いあごひげ。だまし絵(トリックアート)のように顔を逆さにしてみたくなるコワモテだが、根は真面目なドミニカンだ。「日本の投手はタイミングを取るのが難しい」とボヤきながら、重さ80オンス(2268グラム)のズバリ「ヘビーバット」でティー打撃を繰り返し、リズムを体に刻み込んだ。

 昨季の本塁打王、ゲレーロは巨人に流出した。本来、アベレージヒッターのアルモンテには“ポスト・ゲレ砲”として長打の期待もかかるが、「ゲレーロはゲレーロ。僕はアルモンテ。できる範囲でやれればいい」と重圧を感じる様子は全くない。それでも土井打撃コーチは「(一発が)出んより出る方が安心する」とエビス顔。公式戦は「3番・左翼」が有力。いい仕事をしそうだ。(田中 昌宏)

 ★ソイロ・マヌエル・アルモンテ・リリアノ

 ▼生まれとサイズ 1989年6月10日、ドミニカ共和国の首都・サントドミンゴ出身。28歳。183センチ、98キロ。右投両打。既婚。

 ▼経歴 13年にヤンキースで米メジャーデビュー。2年間で47試合に出場した。昨季はメキシカンリーグのモンテレーで打率3割5分5厘、15本塁打、70打点。

 ▼ニックネーム スペイン語でハンマーを意味する「マルティージョ」。ハンマーで叩いたような力強い打球が持ち味。

 ▼あごひげ モジャモジャに蓄えて推定15センチ。「ヤンキース時代は生やせなかった。打撃が好調になったのは、ここ1年伸ばしっぱなしのひげのおかげかもね」。トレードマークを触ってから胸で十字を切って打席に入るのが決まり。

 ▼秘策 日本で成功するコツを母国の中日OB、ルナ、ナニータ、エルナンデスに質問。3人とも「家族が来たときに母国の調味料を持ってきてもらうべきだ。日本では手に入らない」と同じ回答だった。

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