【中日】苦労人の木下雄、支配下登録…知人は「クズの木下がこんなんになるとは」

スポーツ報知
支配下登録された木下雄

 中日は23日、育成の木下雄介投手(24)を支配下登録したと発表した。年俸は300万円から支配下選手の最低保障の420万円に増額(推定)。さらに球団の規定により500万円の支度金が支給される。背番号は98。

 ナゴヤドームで会見に臨んだ木下雄。ストロボの放列に、ぎこちなく笑みを浮かべた。「おととい(21日)球団代表に呼ばれました。まずは妻(茜さん)に伝えたんですが、電話越しで叫んでました。僕は叫ばないです」と話して笑わせた。

 背番号は「69」なども提示されたが一番大きいものを選んだ。「徐々に自分の実力でいい番号に近づいていく気持ちで選んだ。松坂さん(背番号99)の横や、というのもありました」と“出世魚”のように背中を軽くしていくと誓った。さらに具体的な目標として「勝ちパターンに入り、中継ぎでやるんだったらクローザーも目指していきたい。まずは与えられたところでしっかり結果を残せるように準備したい」と胸を膨らませた。

 昨年末から木下雄の支配下登録を検討していた森繁和監督(63)は「ドラフト次第だって言ってただろ。それに、ずっと1軍でいいものを見せているしな」と説明。昨秋のドラフトは高校生中心の“将来性重視”で指名したことと、木下雄自身が沖縄・北谷キャンプ、オープン戦と1軍で結果を残してきたことを総合的に勘案して契約に至ったという。

 最速151キロの直球が武器の木下雄は大阪市平野区出身。183センチ、82キロ、右投右打。徳島・生光学園高を経て駒大に入学したが、右肘の故障で中退。以降はアルバイトや不動産業の会社員も経験しながら2015年に四国IL・徳島に練習生として入団。16年育成ドラフト1位で中日入りした苦労人だ。

 「野球を辞めているときを知っている人にもおめでとうと言われました。『クズの木下がこんなんになるとは』と」と苦笑い。「一度野球を辞めても、またやりたい気持ちが出たときは、もう一回野球をやった方がいい」と挫折を味わっている野球少年に呼びかけていた。

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